「Kindle Unlimited 読み放題」について
アマゾンが提供する「Kindle Unlimited 読み放題」のサービスはご存知でしょうか?
200万冊以上の対象の本を定額で読むことができるサービスです。
読み放題だから、今まで読んだことのない作者の本にも気軽にチャレンジできそうですね。
たくさんある対象本の中からどれを選ぶのかも、楽しみの一つではないでしょうか?
※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらをご確認ください。
「初回30日間無料サービス」があるので、初回30日のお試し期間なら何冊読んでも無料です。
これまでにも何回か、私が読み放題で読んだ本の紹介をしてきました。
先月(2022年3月)に紹介したのが下記の記事です。
そこで今回も、その続編として2022年4月版の紹介をしたいと思います。
この記事は、こんなあなたにおすすめします。
- Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
- Kindle Unlimited を試してみようかと考えている方
- とにかくお得にたくさん本を読みたい方
- 部屋の中に日々増え続ける本をなんとかしたい方
そんなあなたに、何か参考にしてもらえたらうれしいです。
『アスクレピオスの杖』浅谷祐介
今回最初に紹介するのは、浅谷祐介さんの『アスクレピオスの杖』です。
「アスクレピオス」とは、ギリシャ神話の神になった名医の名前。
そしてこの物語に登場する医療用AI(人工知能)は、その神の名前を授けられました。
これは、そのAI(人工知能)が下した一見不可解な診断の謎を追求する物語です。
人工知能が下した結果は信用できるのか、できないのか。
Amazon紹介文より
もし、誰かが悪意を持って診断結果を歪めたとしても、それは誰にも分からない。
向陽大学の最先端医療研究所に設置されている、医療用人工知能「アスクレピオス」による移植適合診断で選ばれた心臓移植の患者は意外な人物だった。
人工知能はどうして彼を選んだのか?
それとも、誰かに選ばされたのか?
本来選ばれるべきだったのは誰なのか。
人工知能が下した判断の裏にある真実とは何か。
機械学習により進化した医療用人工知能「アスクレピオス」を舞台に、心臓移植が行われた真の理由を探るサイエンスミステリー第一弾。
物語には、二人の心疾患を抱えた患者が登場します。
一人は、柴原直也。
会社では50人近くの部下を抱える中間管理職で、まさに働き盛りの男性です。
趣味の畑仕事で息切れした時も、最初は夏バテだろうと思いました。
緩やかな坂を登るくらいで息切れを感じても、運動不足のせいだろうと特に心配もしませんでした。
けれど精密検査の結果告げられたのは「拡張型心筋症」。
今すぐ必要ではないが、完治するには心臓移植以外に治療法はないと医師は言います。
もう一人の患者は、後藤健二。
彼は、学生時代のサークル仲間と一緒に、社会人チームでバスケットボールを楽しんでいました。
そのチームでの試合の終盤に健二は倒れてしまいます。
緊急搬送された病院でも、最初は貧血だろうと思われましたが、精密検査の結果は「拘束型心筋症」でした。
この病気もまた、心臓移植以外に完治する方法はないのです。
そんな二人に心臓移植のチャンスが訪れます。
脳死によりドナーになったのは、柴原の息子「俊輔」でした。
息子の死を受け入れることと、心臓移植の可能性の中で揺れ動きながらも、俊輔の両親は臓器提供に同意します。
ドナーとの適合性を計算して最適なレシピエントを選択するのは、人工知能「アスクレピオス」に委ねられました。
しかし、「アスクレピオス」が導き出した結果は、従来の医学の考え方とは異なる内容でした。
「アスクレピオス」が間違えたのか?
誰かの作為が働いたのか?
第三者委員会の調査の結果、明らかになった真実は・・・。
人知を超えて進化する人工知能と、それを理解しようとする医師たち。
人工知能の真意を探る、医療ミステリーです。
『ウィーザードグラス』根本聡一郎
次に紹介するのは、根本聡一郎さんの『ウィーザードグラス』です。
「ウィザード・グラス」とは、他人の検索結果を盗み見ることができる「魔法のメガネ」。
米国の巨大IT企業が絡む「ある計画」に一人の大学生が立ち向かう物語です。
大学生の陽輝の下に、ずっと連絡のとれなくなっていた兄から、突然荷物が届いた。荷物の中身は、見慣れない眼鏡型のデバイスとタブレット。説明によると、それは他人の検索履歴を見ることができるAR機器「ウィザードグラス」だった。なぜ兄はこんなものを自分の下に送ってきたのか。陽輝は次第に、ウィザード・グラスをめぐる予想外の事件へと巻き込まれていく――“1億総監視社会”の危険と希望を描き切り、巨大IT企業が個人情報を収集する現代へ警鐘を鳴らす。「プロパガンダゲーム」でデビューした著者による意欲作!
Amazon 紹介文より
ごく普通の大学生の「陽輝」には両親の離婚で離れ離れになった兄の「那月」がいます。
両親の離婚により、
那月は、父親と共に15歳でアメリカに渡り、
陽輝は母親と一緒に日本に残りました。
久しぶりに再会した、陽輝と那月。
その兄が差し出した名刺は、今や世界を代表する検索エンジンを生み出した、巨大IT企業のものでした。
那月は、そこでゲーム開発に携わるエンジニアになっていたのです。
兄との連絡が途絶えたある日、陽輝のもとに那月から小包が届きました。
その中には、iPadのようなタブレット端末と、「Wizard Glass」と書かれた「メガネ」がありました。
そして同封されていたメッセージには、兄「那月」の筆跡で、
正しいことに
使ってくれ
俺やグラス
については
絶対に検索
しないこと
PS.
ハルキとやったゲーム
今になって思い出すよ
とだけ書かれていました。
その「ウィザードグラス」を起動すると、「ようこそ」の文字の後に、
『ウィザードグラスでは、視界に入った携帯端末の検索履歴を、自由にご覧いただけます』
という文章が表示されたのです。
陽輝が恐る恐る、ウィザードグラスで自分のスマートフォンを見ると、
『ウィザードグラスでは、視界に入った携帯端末を、緑色の光点で示します。光点に2秒間視線を合わせると、その端末の検索履歴が5件ずつ表示されます』
というメッセージが。
そして実際に、陽輝自身が検索した履歴(自身の恥部としか言いようのないものまで)が表示されたのです。
その機能の詳細がわかるにつれ、それがとても危険なものだということに陽輝は気づき始めます。
なぜ、兄の那月は陽輝にこの「ウィザードグラス」を送ってきたのか?
「正しいことに使ってくれ」という兄のメッセージは何を意味するのか?
疑問を追ううちに、陽輝は巨大な存在と対峙する事態に巻き込まれて行きます。
今や日常生活から切り離せない「スマートフォン」
そこではさまざまな個人情報が行き交っています。
そんな情報が巨大な何者かに監視されるとしたら・・・。
現実にも、そんなことが行われているのではと思わずにはいられない物語です。
『偽画』松下麻里緒
今回3冊目に紹介するのが、松下麻里緒さんの『偽画』です。
※お詫び:こちらの作品は4月27日現在、「読み放題」の対象から外れてしまったようです。
自身の集大成とも言える展覧会を前にして急死した世界的画家。
その死の前日のパーティーで、「未公開で持ち続けた『知られざる傑作』がある」とその画家は言います。
さらに、その画を展覧会の目玉にすると言うのです。
それがどんな画なのか、画家本人以外は誰も見たことがありません。
画家の死後、その「知られざる傑作」をめぐる謎を解いていくミステリー作品です。
海外で通用する画家の一人である山岡が死亡した。学芸員の由紀は、「知られざる傑作」がどの絵であるかを突き止めていく。それは殺人事件の動機解明となると同時に、妻・美弥子の真実に迫ることでもあった。
Amazon紹介文より
急死した画家「山岡真人」が残した「知られざる傑作」は、山岡の主治医で絵画コレクターの「新藤」のもとに預けられていました。
その画を山岡夫人の「美弥子」が受け取りに言った直後に、新藤は不可解な死を遂げます。
一方、キュレーターの「園田由紀」は、山岡の集大成である展覧会を任されていました。
山岡自身が展覧会の「最後の一枚」に指定した「知られざる傑作」を確認しなくてはなりません。
由紀はその画に秘められた謎に迫ります。
途中までの想像が覆る、意外な結末。
まさに、
1枚の絵を巡り、人々の思惑が複雑に絡み合うサスペンス。ミステリ。
「BOOK」データベース より
です。
『潜航せよ』福田和代
4冊目に紹介するのは、
福田和代さんの『潜航せよ』です。
※お詫び:こちらの作品は4月27日現在、「読み放題」の対象から外れてしまったようです。
中国の最新鋭「原子力潜水艦」をめぐるミリタリー・サスペンスです。
中国の戦略型原子力潜水艦が、日本海で原因不明の爆発事故を起こした。同じ頃、春日基地で防空管制を勤める遠野真樹一等空尉は、海栗島に赴任したばかりの安濃小隊長を呼び出し、驚愕した。この男は、安濃ではない!
Amazon紹介文より
主人公の「安濃」は、日本一運の悪い自衛官です。
前作の『迎撃せよ』では、F2戦闘機を奪ったテロリストの仲間と間違えられながら、命懸けの戦いから生還しました。
本作はその事件後、理不尽とも思える硫黄島配属を経て、
安濃が対馬に人事異動になるところから始まります。
時を同じくして、日本海で中国の最新鋭原子力潜水艦が原因不明の爆発事故を起こします。
それは、外部からの攻撃ではありませんでした。
何者かが、艦内に爆発物を持ち込んだらしいのです。
しかし、深海を潜航する潜水艦内で爆発が起きたら、爆発物を持ち込んだ者も命を危険に晒すことになります。
一体、誰が何のためにそんなことをしたのか?
大国を巻き込む、陰謀が動き出します。
そして、安濃はまたしても、その大きな渦に巻き込まれていきます。
さらに物語終盤で明らかになる、「潜航せよ」というタイトルのもう一つの意味。
安濃には、まだしばらく安らぎの日々は訪れなさそうです。
最近の世界情勢を見ると、「本当にこんなことが起きるのではないか」と心配になる物語です。
『失はれる物語』乙一
そして、今回最後に紹介するのが、
乙一さんの『失はれる物語』です。
※2022年11月1日確認:この作品は「読み放題」の対象から外れたようです。
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見たて、日々の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが……。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし「ウソカノ」の2作を初収録。
Amazon紹介文より
上記のように、以下の8作の短編小説がおさめられています。
- Calling You
- 失はれる物語
- 傷
- 手を握る泥棒の物語
- しあわせは子猫のかたち
- ボクの賢いパンツくん
- マリアの指
- あとがきにかえてー書き下ろし小説 ウソカノ
胸の痛くなる内容もありますが、どれも傑作だと思います。
今回はその中から、Amazonの紹介文ではふれられていない「しあわせは子猫のかたち」を紹介します。
主人公の「ぼく」は大学生になり、ひとり暮らしを選びました。
その理由を、こう言います。
家を出て、ひとり暮らしをしたいと思ったのは、ただ一人きりになりたかったからだ。自分を知る者のだれもいない見知らぬ土地へ行き、孤独に死ぬことを切望した。大学をわざわざ実家から遠い場所に決めたのは、そういう理由からだ。
そして、「ぼく」の伯父が所有する古い家を借りることになったのです。
「ぼく」は、人とのコミュニケーションが苦手でした。
人との関わりに疲れ果てていたので、一人暮らしになったら、極力人と関わらないようにしようと考えました。
家からもあまり出ないようにして、「毎日カーテンを閉めて」生活しようとさえ思っています。
借りることになった家の中には、家具や生活に必要なものがそろっていました。
「ぼく」がそのことについて、
「最近まで、だれかがここに住んでいたのですか?」とたずねると。
「友人の知り合いに貸していたんだ。その人、もう死んでしまったんだけど、身よりのない人だったから、家具を引き取る人がいなくてね……」と伯父さんは答えました。
そして、
「残っている家具、自由に使っていいよ。持ち主はもう、いないんだから」と言います。
残されたモノたちからみて、前の住人は若い女性だったようです。
「ぼく」は、何か微妙な違和感を感じます。
窓際に植木鉢。枯れておらず、ほこりも積もっていない。だれかが毎日、掃除をしているかのような清潔さに、妙な違和感を感じる。
それに、「ぼく」が日差しを避けて閉めたはずのカーテンが、しばらくすると開いていたりします。
おまけに、前の住人が飼っていたらしい子猫まで現れます。
そうして、「ぼく」と「子猫」と「妙な気配」との共同生活が始まりました。
それは、ある意味暖かささえも感じる日々になっていきます。
そんなある日ぼくは、「前の住人」の死にまつわる秘密に気づいてしまうのです。
そして、物語の最後にわかるタイトルの意味。
切ないけれども、何か温かい気持ちになれる傑作です。
他の6作も、それぞれ味わいのある物語です。
個人的には、「傷」、「Calling You」と「ウソカノ」も好きですね。
未読の方は、ぜひ一度手にとって見てください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「Kindle Unlimited 読み放題」で2022年3月に読んだ5冊を紹介しました。
「『読み放題』でこんな本が読めるんですよ」と紹介したくて始めたシリーズです。
先月紹介した、2月に読んだ本は、3月時点で読み放題から外れてしまったものもありました。
今回紹介の本は、現時点では読み放題対象ですが、そのうち対象外になるかもしれません。
※その後、やはり2冊が対象外になったようです。
なお、「読み放題」対象中にダウンロードしたものは、対象から外れてもそのまま保持しておくことが可能です。
最大20冊までキープできますので、気になった作品は見つけた時にダウンロードしておくのが良いかもしれませんね。
以上、この記事が何か少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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