低気圧が居座っているせいで、天候が不安定で断続的な強い雨が続いていますね。
ここから近い木曽川の水位もかなり上がっていて注意が必要だそうです。
豪雨災害に遭われたエリアの皆様には、お見舞い申し上げます。
こんな天気のせいでしょうか、なんだか怠くてやる気が出ません。
そんな中「おじさんの本棚」で取り上げる本を整理していて、以前読んだ本の中から気になる1冊を見つけました。
『世界のエリートがやっている 最高の休息法』です。
その表紙の見開きにこんなことが書かれています。
脳は「何もしない」でも、勝手に疲れていく・・・
久賀谷亮 『世界のエリートがやっている 最高の休息法』 ダイヤモンド社 より
科学的に正しい「脳の休め方」とは?
そうでした、この本は「脳の疲労を解消する」こと、生活の中で「脳が疲労しにくくなる方法」を教えてくれるものでした。
以前、私が慢性的に疲れていると感じていた時に出会って、とても役にたった本です。
その時は、書かれている内容を実践していこうと考えていましたが、時間の経過とともに疎かになっていました。
なんだか怠くてやる気がでないいんですよ
それは脳が疲れているのかもしれませんね
「なんだか怠くてやる気が出ない」のは天候のせいだけでは無いかもしれません。
最近、脳が疲れても不思議でないほど「心がうるさい」日々が続いていたので・・・。
この機会に、この本の内容を再確認して「脳を休ませる」習慣を取り戻したいと思います。
なぜ脳は「何もしない」でも勝手に疲れるのか?
さて、ではなぜ脳は「何もしない」状態でも疲れてしまうのでしょうか?
冒頭で紹介した表紙の見開きの続きに以下のように書かれています。
脳の消費エネルギーの60〜80%は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に使われています。DMNとは脳が意識的な活動をしていないアイドリング状態でも動き続ける脳回路です。
久賀谷亮 『世界のエリートがやっている 最高の休息法』 ダイヤモンド社 より
ぼーっとしていても、この回路が働き続ける限り、脳はどんどん疲れていくわけです。
「何もしていないのに、なぜか疲れが取れない」という人は、このDMNに過剰な活動を許してしまっているのかもしれません。
私たちの脳は、「何も考えない」ということが苦手のようです。
特に何も考えず「ぼーっと」しているつもりでも脳は常に活動しているということです。
そして、その活動に脳のエネルギーの60%〜80%が使われるということですが、この脳のエネルギーというのが、「身体が消費するエネルギーの20%」にあたるというのです。
DMNが過剰に活動したら、それは疲れるわけです。
私が「心がうるさい」と表現したのがまさにこの状態で、なんで今こんな考えが浮かんでくるんだろうと思うような過去のこととか、未来の不安だとかが常に頭の中でざわついている状態。
なんとかこの状態から抜け出さないと脳はどんどんエネルギーを消費して疲労していくことになります。
無計画、無反省に仕事をしている様を「思考停止状態」などということがありますが、本当の「思考停止」はそんなに簡単ではなさそうです。
このDMNの活動をコントロールする方法、それが「マインドフルネス」です!
スティーブ・ジョブスも実践していた「マインドフルネス」とは
「マインドフルネス」とは、瞑想などを通して「DMN」の活動を制御することで「脳を休息させる」方法の総称です。
あのスティーブ・ジョブスのクリエイティブな発想は、瞑想によって脳を休ませることで、彼にとって本当に重要な創造力に脳の活動エネルギーを振り分けることができたからかもしれません。
今回取り上げた「最高の休息法」では、「脳の疲労を解消する7つの休息法」があげられています。
この記事ではその中から、日常生活に取り入れやすい2つにフォーカスして取り上げたいと思います。
マインドフルネス呼吸法
まずは基本の「マインドフルネス呼吸法」です。なぜ呼吸法が大切なのでしょうか?
それは「今この瞬間」に意識を集中させるために、呼吸法がとても有効だからです。
「今この瞬間」に意識を集中させるって?
私たちの脳は、「今この瞬間」に集中することが少し苦手です。
何か作業をしていても、少し油断すると関係ないことが連想のように浮かんできて、「過去のあの時の判断は失敗だった」とか「あいつ、あの行動は許せない」とか「今日の夕食は何にしよう」などど過去や未来のことに思考が飛んでしまったりします。
アスリートがよく「ゾーンに入る」ということを言いますが、それはその瞬間のプレーに全集中できている状態だと思います。
目の前のプレーだけに脳が集中しているので、自身のポテンシャルが最大化されるのでしょう。
このアスリートの「ゾーン」レベルは難しいでしょうが、この瞬間に脳を集中させる手段として「呼吸法」は重要な役割を持っています。
お兄さん
なるほど、全集中の呼吸ですね!
マインドフルネス呼吸法の実践方法
この本で紹介されている「マインドフルネス呼吸法」の実践方法は以下の4ステップです。
- 基本姿勢をとる
椅子に座る(背筋を伸ばして、背もたれにもたれない)
お腹はゆったり、手は太ももの上、脚は組まない
目は閉じるか、半目で2メートル先を見るイメージ - 身体の感覚に意識を向ける
接触の間隔(足の裏と床、お尻と椅子、手と太ももなど)
身体が地球に引っ張られる重力の感覚 - 呼吸に注意を向ける
呼吸に関わる感覚を意識する
(鼻を通る空気、呼吸による胸・お腹の上下、呼吸と呼吸の切れ目、呼吸の深さなど)
自然に呼吸し、深呼吸や呼吸のコントロールは不要
呼吸を「1」「2」・・・「8」と数えるのも効果的 - 雑念が浮かんだら
雑念は生じて当然なので、それは受け入れて
再度呼吸に意識を集中する
※久我谷亮 著 『世界のエリートがやっている最高の休息法』より
このような、手順で1日5分から10分程度で良いので実践を勧めています。
この「2.身体の感覚に意識を向ける」と「3.呼吸に注意を向ける」とで、意識を「今この瞬間」に集中させるようにします。
「今この瞬間」に意識を集中させることができれば、過去や未来に意識が彷徨って、脳を無駄に疲労させることから抜け出せます。
ということで、まずはこの「マインドフルネス呼吸法」を基本として実践していきましょう!
お姉さん
はい、今この瞬間に集中するように
身体の感覚と呼吸に意識を向ける!
やってみます!!
ムーブメント瞑想で「自動操縦状態」から脱出する
次にあげられているのが「ムーブメント瞑想」です。
この瞑想が紹介されているページの冒頭に「気づくと考えごとをしているとき」とあります。
私たちの日常で、日々定型化している作業をしているときって、その作業自体にあまり注意を払う必要がありませんよね。
手が勝手に動いて処理していくような動作の場合もそうです。
こういう時に、気がつくと全然関係ない他のところに思考が飛んでいることって良くありませんか?
私もそうなんですが、マルチタスクに慣れすぎて「〜ながら」で何かやることが増えています。
そのせいなのか脳は、集中しなくてもできる「自動操縦状態」の場合は他に思考を飛ばしてしまうようです。
それならば、この「自動操縦状態」を脱出しようとするのが「ムーブメント瞑想」です。
ムーブメント瞑想の実践方法4つ
ムーブメント瞑想の実践方法としては以下の4つがあげられています。
- 歩行瞑想
最初はゆっくり歩く
手脚の筋肉・関節の動き、地面と接触する感覚に注意を向ける
歩きながら「右/左」とか「上げる/下げる」のように自分の動きにラベリングをする - 立った姿勢でムーブメント瞑想
足を肩幅に広げ、伸ばした両手を左右からゆっくり上に上げていく
腕の筋肉の動き、血液が下がってくる感じ、重力に意識を向ける
腕が上まで来たら、同じように意識しながら元の位置に下ろす
この上下を繰り返す - 座った姿勢でムーブメント瞑想
椅子に座った状態で、両肩を後ろから前にゆっくり回す
筋肉や関節の動き・感覚に細かく注意を向ける
一周したら逆に肩を回しながら、同様に注意を向ける - その他、日常の動きの中でムーブメント瞑想
服を着る、歯を磨くなどの日常の動作で、その動きに注意を向ける
ラジオ体操などをやりながら、その動きに注意を向ける
※久我谷亮 著 『エリートたちがやっている最高の休息法』より
このように、動作のなかで筋肉や関節が動く感覚、ものと接触する感覚などその瞬間に身体がどのような状態にあるかに注意を向けることで「今この瞬間」に集中します。
私は趣味でヨガをしますが、このムーブメント瞑想はフローヨガで身体の感覚に注意を向けるのと共通するものがあるように思います。
フローヨガでは自身の呼吸に集中しながら、ポーズからポーズに移る過程の身体の感覚に注意を向けます。
「今日はこの部分の動きが少し取りづらい」とか、「このポーズでは、ここがストレッチされて気持ちいい」とか自分の身体の隅々まで注意を向けることで、それ以外の情報から少し距離をおく感じがします。
そして、ヨガをした後は、とてもスッキリした感覚に全身が包まれます。
お姉さん
あっ、フローヨガのその感覚!
すごくわかります!!
スッキリするのは、そういうことだったんですね。
ヨガと同様にこの「ムーブメント瞑想」も日常生活に取り入れていこうと思います。
まとめ
今回は『世界のエリートがやっている 最高の休息法』をテキストとして以下の点を確認しました。
- 脳が「何もしない」状態でも疲れてしまう理由
- 最高の脳の休息方法にマインドフルネスがある
- マインドフルネスの7つの休息法から「マインドフルネス呼吸法」の実践方法
- 同じく7つの休息法から「ムーブメント瞑想」の実践方法
脳は疲労すると、それを全身の疲労として信号を発信します。
なんだか全身がだるい時、ひょっとしたらそれは脳が疲労しているのかもしれません。
今回ご紹介したのは、この本に書かれている「最高の休息法」のごく一部ですが、それでも実践してみる価値はある内容です。実際に私も試して効果がありました。
もちろん本に記載されているその他の方法もぜひ確認してみてください。
音声でマインドフルネスを実行できるように、この本のCD版も発売されています。
本で概要を掴んだら、実践するときには音声に集中するのも効果的だと思います。
脳をスッキリさせて快適な日々を送りたいですね。
グッドラック!
今回の記事が、何か少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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