前回2回にわたって「ネット証券への口座開設」「NISAとつみたてNISAの比較」をしてみました。
せっかく口座開設したら、投資にチャレンジしたくなりませんか?
ということで、今回は「定額積立投資」を前提として、「投資信託」について確認していきたいと思います。
※この記事はFP2級レベルの知識で投資初心者向けにまとめた基礎知識です。
特定の投資方法を推奨するものではありませんので、あらかじめご承知おきください。
投資信託とは
まずそもそも、投資信託とはどのようなものなのか?その確認からはじめましょう。
聞いたことはあるけど、投資信託ってどういうものなの?
では、投資信託の基礎知識について、
順番に見ていきましょう。
投資信託とは、多くの投資家の皆さんからお金を集めて、
その集まったお金を運用の知識をもった専門家が株式などに「分散投資」して、
得られた利益を投資家の皆さんに分配する仕組みの金融商品です。
投資信託のメリット
投資信託には以下のメリットがあります。
個人投資家が株式投資をする場合、前回のNISAのとこでも確認したように、1社の株を購入するために数十万から数百万円の資金が必要になる場合が多いです。
その上1社への集中投資では、その会社の業績次第でリスクが高くなります。
その点投資信託は、多くの投資家から資金を集めるので、一人あたりは低額からでも始められます。
また、専門のファンドマネジャーが投資先や資産配分を決めて分散投資してくれるので、投資に不慣れな個人投資家が1社の株式に投資するよりも効率的な運用が期待できます。
投資信託のデメリット
投資する際には以下の点にご注意ください
株式などに「分散投資」するわけですから、当然ですが「元本保証」はありません。
また、デメリットではないですが投資信託にも以下のコストがかかります。
- 購入時手数料 (販売会社で異なる。手数料がかからないファンドもある)
- 信託報酬 (販売会社、運用会社、管理会社、それぞれの運用管理費用)
- 信託財産留保額(中途換金時に徴収されるコスト)
これらは、証券会社、投資するファンドなどによって異なるので、選択する際にはコストについても注意が必要です。
ここでも「不要なコストは抑える」というのは、基本の考え方だと思います。
「購入時手数料」はできるだけ0円に近いもの、「信託報酬」は同等のファンドと比較して割高でないか確認しましょう。
投資信託の種類(分類)
投資信託の分類の仕方で変わりますが、
代表的なものだけ確認しておきましょう。
一言で投資信託といっても、
いろいろあるんですね。
投資信託の分類にはどの側面からの分類かでいくつかの分け方があります。
FP2級のテキストレベルの解説は、細かすぎて混乱すると思いますので代表的なものだけあげます。
まず、投資対象による分類
公社債投資信託 | 公社債を中心に運用する投資信託 株式は組み入れることができない MMF、MRF、中期国債ファンドなど |
株式投資信託 | 株式を組み入れて運用できる投資信託 (公社債も組み入れできる) インデックスファンド、ブルベアファンドなど |
運用スタイルによる分類
インデックスファンド | 日経平均株価指数などのベンチマークに連動した運用成果を目指すファンド |
アクティブファンド | 株価指数などのベンチマークを上回る運用成果を目指すファンド |
上場している投資信託
株式と同じように証券市場に上場しているので、株式と同様に取引することができます。
ETF | 日経平均株価指数などに連動するように運用される投資信託(インデックス型) 他にもブル型、ベア型があるが証券市場で株式と同様に取引できる点が異なる |
J-REIT | 投資からから集めた資金を不動産に投資して、得られた資金を投資家に分配する投資信託 こちらも上場していることと、投資先が不動産である点が他と異なる |
このように代表的な分類を見てきましたが、では実際に投資する際にはどう選択すれば良いでしょうか?
初心者向けな投資信託は?
それで、これから投資信託を始めようと思ったら、
どうやって選べばいいんですか?
投資家さんよって考え方は違うので、
投資スタイルを仮定してみましょう。
「初心者向けな投資信託」と言っても、考え方も置かれた状況も人それぞれでしょうから、一概にこの方法が良いとは言えませんよね。
まず、どのような投資スタイルで臨むのかを想定しましょう。
以下のような人を想定して検討してみます。
- 投資するファンド選びにあまり時間をかけたくない
- 毎月定額を積立で長期間投資しようと考えている(自動積立)
- 一旦投資を開始したら、日々の値動きに一喜一憂したくない
- 日頃は放置しておいても、ローリスクなものが良い
という前提で考えた場合は、「インデックスファンド」の定額積立でいかがでしょう。
インデックスファンドの自動定額積立
証券会社で、毎月定額(例えば毎月1万円)で、選んだインデックスファンドを購入と設定しておけば勝手に毎月買い付けてくれる仕組みがあります。
例えば、「日経平均株価(東証一部上場企業代表的な255社の株価を平均したもの)指数」に連動したインデックスファンドなどは、長期的に日本経済が成長を続ければ右肩上がりの運用が期待できます。
もちろん短期的に見れば、景気の波は上下しますが、毎月定額買い付けなので「ドルコスト平均法」により平均購入単価が調整されるのでリスク低減を図ることも可能です。
日本経済の先行きに不安があれば、米国経済の成長にかけるのもありかと思います。
「S&P500指数」は米国大型株の代表500銘柄で構成され、米国市場全体の動きを表す指標として評価されています。
この「S&P500指数」に連動したインデックスファンドならば、米国経済の今後の成長にかけられます。
なんと言っても、世界の資本主義の中心は米国です。
資本主義がその本質として「拡大再生産」を目指す以上、資本主義にとって変わる社会が実現するまでは米国の経済成長は続くのではないでしょうか?
なお、上記はあくまでも「例えば」の話ですので実際に投資先を選ぶ場合には、「目論見書」などでファンドの内容を確認して自己判断で決めましょう。
目論見書の確認
投資先のファンド候補を見つけたら、その投資信託の「目論見書」でファンドの内容を確認・検討しましょう。
目論見書には以下のような内容が書かれています。
ファンドの目的・目標
ファンドの目的と、投資先などについて記載されています。
投資のリスク
価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスクなど、どのようなリスクが想定されるか記載されています。
運用実績
基準価額や総資産総額の推移、分配金の推移など運用実績が記載されています。
手続き・手数料等
ファンドの購入単位、購入時の手数料、運用中の信託報酬、ファンドにかかる税金や諸経費など記載されています。
ファンドにかかるコストを同等の他のものと比較しましょうと言っていた点ですね。
「目論見書」のこれらの内容を確認して、投資先の選択の参考にしてください。
まとめ
今回は、せっかく証券会社に口座開設したので投資を検討してみるというストーリーで、
投資信託の基礎知識について確認してきました。
今回確認した内容をおさらいすると、
- 長期運用できる前提ならば、「インデックスファンドの定額自動積立」が○
- 銘柄選びの際には、「投資信託にかかるコスト」も比較検討が大切!
- 最終的には「目論見書」の内容を確認して、ご自身の投資に合っているものを選択
ということになりました。
最後にくどいようですが、投資はあくまでもご自身の判断でお願いします。
以上、この記事が何か少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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