「Kindle Unlimited 読み放題」で読める小説5選(2022年8月版)

読書

「Kindle Unlimited 読み放題」について

Amazonが提供している本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited」はもうご存知ですよね。

毎月定額で、200万冊以上の対象のラインナップが読み放題のサービスです。

ライブラリー」に同時に保持しておけるのは20冊までですが、

既読の本と入れ替えれば、新たな本をライブラリーに追加することができます。

読み放題で気に入って持ち続けたければ、「Kindle本」として購入する手もあります。

その場合も紙の本よりは若干割安で購入できます。

そうしてライブラリーに保存されていれば、いつでも、どこでも、その時の気分で本を選ぶことができますよね。

何十冊、場合によっては何百冊の本を持ち歩いているのと同じなのは魅力的ではないでしょうか?

※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらをご覧ください。

初回30日間無料サービス」があるので、最初の30日間は何冊読んでも無料です。

お試ししてみて、「合わないな」と感じたら、無料期間中に止めることも簡単にできます。

2022年1月から今まで8回に渡って、私が「Kindle Unlimited 読み放題」で読んだ本の紹介をしてきました。

前回、(2022年7月版)としてご紹介したのが下記の記事です。

ということで、今回も(2022年8月版)として5作品を紹介したいと思います。

この記事はこんな方におすすめします。

  • Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
  • Kindle Unlimited を試してみようかと迷っている方
  • 今まで読んだことのない作家さんの作品と、新たな出会いをしたい方
  • とにかくお得にたくさんの本を読みたい方


そんなあなたの、何か参考になれたらうれしいです。

それでは「2022年8月版」の5冊を順に紹介します。

『蹴りたい背中』綿矢りさ

今回一冊目に紹介するのは、綿矢りささんの『蹴りたい背中』です。
※2022年11月1日確認:この作品は読み放題の対象から外れているようです。


第130回芥川賞受賞作なのでご存じの方も多いかと思います。

高校に入ったばかりの“にな川”と“ハツ”はクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく……いびつな友情? それとも臆病な恋!? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。

Amazon紹介文より

その日は、理科室での実験の授業でした。

先生が何の気なしに言った「適当に座って五人で一班を作れ」という一言は、必然的に「余り者」を生みました。

クラスの交友関係のどのグループにも入らない「私(ハツ)」と「にな川」は「余り者」です。

仲良し3人組のグループに入れてはもらいましたが、当然のように、二人ともそこに居ないかのように扱われます。

二人はそんな扱いに慣れているので、適当に時間を潰していました。

ハツが何となくにな川を見ると、彼が机の下で女性ファッション誌を見ているのに気づきます。

彼は、そのファッション誌に載っている一人のモデル「オリチャン」の熱烈なファンだったのです。

ハツが、そのオリチャンに以前駅前の無印良品であったことがあるというと、

にな川は、その場所を教えて欲しいと頼みます。

彼は、オリチャンに関係あるものならば、何でも蒐集したいのです。

それからハツにな川は、「オリチャン」を媒介にして一緒に行動するようになります。

ハツは自分が「余り者」であることを、

私は、余り者も嫌だけど、グループはもっと嫌だ。できた瞬間から繕わなければいけない、不毛なものだから。

と考えています。

でも、にな川とは不思議に自然体で接することができるようです。

高校に入ってからずっとできなかった”人に気楽に声をかける"ということが、にな川相手だとできたことに気づいた。

そして、オリチャンのラジオに夢中になるにな川を見ていると、何故か背中を「蹴りたい」という欲望が湧いてくるのでした。

この「蹴りたいという欲望」に名前をつけるとしたら、なんと呼べば良いのでしょうか?

かつて、他人との関係性に悩んでいた自分と重ねてしまう作品でした。

『悪いものが、来ませんように』芦沢央

次に紹介するのは、

芦沢央さんの『悪いものが、来ませんように』です。
※2022年11月1日確認:この作品は読み放題の対象から外れているようです。

自分の娘への強い愛情を抱える奈津子。助産院の事務をしながら、不妊と夫の浮気に悩む紗英。二人の異常な密着が恐ろしい事件を呼ぶ。「最後まで読んだら、絶対もう一度読み返したくなる」話題作、ついに文庫化!

Amazon紹介文より

物語のプロローグは、産後間もない「奈津子」が育児ノイローゼになりかけているような描写から始まります。

この子さえいなければ、と思った直後に、この子が死んでしまったらどうしようと怖くなる。この子がいなくなったら、私は生きていけない。衝動に任せて娘を抱き寄せると、バランスを崩して乳首から口を離した娘が不平を訴えるように泣き始める。
ーーかわいそうな子。この子は、母親を選べない。


一方で、助産院で看護助手として働く「庵原紗英」は、上手く行かない仕事と不妊に悩んでいました。

たとえば、いますぐわたしに子供ができれば。
そうすればみんなに祝福されながら仕事をやめることができるのに。

さらには、夫が不倫していることにも気づいています。

そんな上手く行かない日常で、紗英にとって唯一の安らぎは「奈津子」の存在です。

子供の頃から「なっちゃん」と呼ぶ大の仲良しで、三十代になった現在も親密な関係を続けています。

夜勤明けで疲れ切った日でも紗英は奈津子の家により、一緒に食事したり、一緒に昼寝をしたり、夫の不倫の愚痴を聞いてもらったりするのでした。

そんな時「なっちゃん」はいつも味方になってくれるので、紗英にとっては安らぎを得ることができるのです。

奈津子も紗英の幸せを強く願っています。

そんな二人の、他人から見たら「異常」とさえ思えるような密着が、ついに事件に繋がってしまいました。

物語は、その事件のルポをまとめる「心理カウンセラー」のインタビューに関係者が答える形で進みます。

並行して、事件の概要が徐々に明らかになっていく過程での、奈津子と紗英の独白が綴られて行きます。

罪を犯した者が、その罪が発覚するまでの間にどのような心理的葛藤を経験するのかが、とてもリアルに感じられました。

しかもその葛藤は、犯行が知られるまでの間は休みなく続くのです。

いつバレるかという終わりのない恐怖に怯えながら、いっそ捕まってしまおうかとさえ思えてくるのでしょう。

この物語を読み進めるうちに、読者である自分が大きな勘違いをしていることに気付きはじめます。

そして迎えたラストでは、今まで「自分が受けてきた印象」がズレていたと思い知らされるのです。

改めて、人は、知らない間にバイアスのかかった視点で物事を解釈しているということに気付かされる作品です。

『ホワイトラビット』 伊坂幸太郎

今回3冊目に紹介するのは、

伊坂幸太郎さんの『ホワイトラビット』です。
※2022年9月5日確認:この作品は「読み放題」の対象から外れてしまったようです。

兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。

Amazon紹介文より

兎田」は、誘拐を請け負う組織の実行班の一員です。

仕事はとてもシンプルで、依頼を受けたターゲットを誘拐して、指定場所まで運べば彼の仕事は完了です。

誘拐も慣れると、かなりシステマティックに処理することができ、兎田はその仕事を気に入っていました。

さっさと仕事を片付けて、愛妻の「綿子ちゃん」と二人で過ごすのを楽しみにする毎日でした。

ところが、ある日その新妻の「綿子ちゃん」が誘拐されてしまったのです。

それも、兎田が所属する組織によってです。

組織の狙いは、兎田に「組織の金を横領した男」を見つけ出させることでした。

タイムリミットは翌日まで!

それまでにターゲットの男「オリオ」を見つけ出し、組織に引き渡さなくてはなりません。

ミッションをクリアできなければ「綿子ちゃん」は・・・。

誘拐組織空き巣のプロ警察とが、入り乱れて、事件は思わぬ方向に展開し始めます。

時間軸を縦横に行き来しながら、事件の意外な真相が徐々に明かされていきます。

ストーリー展開の巧さに、どんどん物語に引きづり込まれていく感覚はたまりません!

一気読み必至の一冊です。

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

次に紹介するのは、

道尾秀介さんの『向日葵の咲かない夏』です。
※2022年9月5日確認:こちらの作品は「読み放題」の対象から外れてしまったようです。

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

Amazon紹介文より

夏休みに入る前の終業式の日、「ミチオ」は、その日欠席した「S君」の家にプリントと宿題を届けることになりました。

担任の「岩村先生」が、誰か届けてくれないかとクラス全員に依頼しましたが、他の誰も引き受けようとしませんでした。

S君は、クラスのみんなからあまりよく思われていなかったようです。

そんな中で「ミチオ」は、気が付いたら手を上げていて引き受けることになったのです。

ミチオが、S君の家に着いてみると、誰もいないかのように静まり返っていました。

呼び鈴にも反応がないので、庭から縁側の方に回ってみると、

縁側と奥の和室の間の欄間からS君はぶら下がって揺れていました。

S君は首を吊っていたのです。

ミチオは慌てて学校に戻り、先生にそのことを伝えました。

担任の岩村先生が、警察に連絡してS君の家に向かうことに。

しかし、岩村先生がS君の家に着くと、そこにはS君の姿がなくなっていました。

ミチオが、首を吊ったS君を見たことは間違いありません。

では、誰かが遺体を持ち去ったのか?

警察による捜査が始まりましたが、S君の行方はなかなか分かりません。

そんな中、ミチオの前に、生まれ変わって姿を変えたS君が現れます。

生まれ変わったS君は、「僕は殺されたんだ」と言います。

そして、「僕の身体を見つけて欲しいんだ」とミチオにお願いしました。

こうしてミチオは、事件の真相を追いながら、S君の身体の行方を探し始めます。

次々に明らかになる新事実。

いったい、誰が何をしたのか?

誰が嘘をついているのか?

最後まで気が抜けない物語です。

意外な結末を知ると、最初から読み直したくなるかもしれません。

『ルビンの壺が割れた』宿野かほる

今回最後に紹介するのは、

宿野かほるさんの『ルビンの壺が割れた』です。
※2022年9月5日確認:この作品は「読み放題」の対象から外れてしまったようです。

Facebookのメッセージ交換という形で物語は進んでいきます。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」

――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。

Amazon紹介文より


28年前に結婚するはずだった恋人の名前Facebookで見つけた「水谷一馬」は、

その相手、「美帆子」にメッセージを送ります。

50代半ばを過ぎて、過去の想い出を懐かしんでのことか思っていると、

お返事はもちろんないものと承知しています。亡くなった方からの返事はあるはずもありませんから。

という言葉でメッセージを終えています。

そしてその1年後、「一馬」は再度、「美帆子」にメッセージを送るのです。

返信不要と言っておきながら、さらにその1年後にも3通目のメッセージも送ります。

その間、一馬は美帆子のFacebookをチェックし続けているようです。

メッセージの内容も徐々に変化しており、明らかな違和感と気持ち悪さが漂ってきます。

そして、その3通目のメッセージに対して、美帆子は返信をしました。

そこから、二人のメッセージの往復が始まりました。

最初は、学生時代の想い出を懐かしむような内容だったのですが・・・。

二人の結婚するはずだった日、一体何があったのか?

二人はそれぞれどんな過去を歩んできたのか?

巻末の西山菜々子さんによる「担当編集者による付記」には、

この作品はいわゆる「ミステリー」ではありません。ミステリー的な雰囲気はありますが、ミステリーというジャンルに区分けされる作品とは言えません。

と記しています。

そして「何とも分類しようのない小説」だということです。

前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!」と紹介文に書かれるのも頷けます。

あなたも、「前代未聞の読書体験」を試してみませんか?

(おまけ)『異邦人』原田マハ

8月は夏季休暇もあるので、今回は(おまけ)としてもう一冊紹介します。

その作品が、原田マハさんの『異邦人(いりびと)』です。
※2022年11月1日確認:この作品は読み放題の対象から外れているようです。

一枚の絵が、ふたりの止まった時間を動かし始める。たかむら画廊の青年専務・篁一輝(たかむら・かずき)と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた――。京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。

Amazon紹介文より

この物語は、丁度あの「3.11東日本大震災」直後が舞台になっています。

原発事故の影響で、東京でも放射性物質による汚染が懸念されていた頃、

主人公の一人、有吉美術館副館長の「菜穂」は妊娠中でした。

生まれてくる子供への悪影響を避けるためにという母「克子」の提案で、

菜穂は京都でホテル暮らしをすることになったのです。

しかし、原発事故の状況は早期に解決に向かうようなものではありませんでした。

そのため、「克子」は知り合いの家を間借りして、事態が収集に向かうまで菜穂を京都に滞在させることにします。

京都に一人置かれた菜穂は、気晴らしのために立ち寄った画廊で一枚の画に魅せられてしまいます。

それは、まだ無名で正式な画壇デビューもしていない、若手作家の作品でした。

菜穂はその無名画家の才能に大きな可能性を見出します。

一方、大震災後の混乱と自粛ムードの影響で、経済界は厳しい状況に追い込まれようとしていました。

それは、画廊のような商売には、特に厳しいものであることは想像に難くないと思います。

そのような厳しい状況でも菜穂は、自分が見出した新人作家に入れ込んでいくのです。

その根底には、菜穂も知らない、祖父の時代まで遡る因縁が・・・。

全てが明らかになった時私は、「そうだったのか!」と思うと同時に

菜穂に受け継がれた芸術を真に愛する精神を守ることができてよかったと感じたのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回も「Kindle Unlimited 読み放題」で読んだオススメの小説の8月版

5作品+(おまけ)1作品を紹介しました。

このところ連日の猛暑日で、外を出歩くのもなかなか辛い日々が続いていますね。

8月は、夏季休暇もありますし、涼しいところでじっくり読書も良いかと思います。

そんな時、Kindle Unlimited も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

今回紹介した6作品は、2022年8月11日現在「読み放題」の対象です。

対象本は入れ替えになるので、気になった方はお早めにどうぞ!

以上、今回の記事が何かあなたの参考になれば嬉しいです。



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