2023年夏、文庫各社の「夏フェア」比較

読書

この夏、どの本と旅に出ますか?

いよいよ7月に入りましたね。

これで、今年も半分過ぎたわけです。

まもなく梅雨も明けて、本格的な夏がやってきます。

そして、毎年この時期のお楽しみといえば・・・そう文庫各社の夏フェアですね!

新潮文庫の100冊(新潮社)」、「ナツイチ(集英社)」、「カドブン(角川)

この3社の企画が本屋さんのゴールデンスペースに出揃います。

私の行きつけの本屋さんでは、今年は「カドブン」から始まり、

次に「ナツイチ」、そして6月末に「新潮文庫の100冊」のコーナーが展開されました。

その売り場の変化を毎日チェックしていた暇人は・・・、はい、私です(笑)。

そんな各社の「夏フェア」で、この夏読む本を見つけるのが、私の夏の恒例になりました。

昨年も3社の企画を比較した記事をアップしました。

それが下記の記事です🔽。

ということで、今年も3社の企画内容を比較しながら、

私なりの読書候補を検討していきたいと思います。

それでは、いってみましょう!!

文庫各社の夏フェア比較

まずは、2023年夏の文庫各社の企画内容を比べてみましょう。

文庫名フェアタイトル購入特典
新潮文庫新潮文庫の100冊キュンタステンドグラスしおり
集英社文庫ナツイチよまにゃ画面クリーナー
角川文庫カドブン夏推し2023抽選で豪華賞品を合計500名様にプレゼント

各社の「フェアタイトル」と「購入特典」はこんな感じです。

この時期、本屋さんの店頭に行けば、これらのコーナーが目にとまると思います。

購入特典以外でも各社それぞれ特徴のある打ち出し方をしているので、

その辺りも踏まえて、ひとつずつ見ていきましょう!

新潮文庫の100冊 2023(新潮文庫)

まず、文庫の夏フェアといえば、真っ先に浮かぶのが「新潮文庫の100冊」ですね。

昨年の記事にも書いたのですが、私の学生時代からお馴染みの企画です。

今年もメインキャラは、昨年同様「キュンタ」です。

キュンタは、小さな町の、小さな本屋さんにいる、小さなロボットです。

新潮文庫の100冊はその中の作品を、以下の5つのジャンルに分けています。

  • 恋する本
  • シビレル本
  • 考える本
  • ヤバイ本
  • 泣ける本

本屋さんの店頭で無料配布されている冊子には、

上記の5つのジャンルに分けて100冊の紹介が掲載されています。

昨年のストーリーは、本屋のおじいさんの留守中キュンタが店番をするお話でした。

店番をしている間に、本屋に来るお客さんたちとの会話を通して、

文庫の各ジャンルの説明がされました。

今年は、本屋のおじいさんと一緒にキュンタが海におでかけするようです。

その浜辺で本を読んでいると・・・、

「やあ!」と飛び出してきたのは群れから外れたやんちゃなイルカさん。

イルカはキュンタに「ぼくといっしょに旅をしないかい?」と誘います。

そして「どこまでもジユウでシゲキテキなひと夏の冒険」に旅立つのです。

その旅先での出会い出来事が、各ジャンルへの導入になっていきます。

まずは「恋する本」の扉から。

イルカとキュンタが最初にやってきたのはクマノミの遊び場です。

ぴったりくっつくクマノミのふたりに、

イルカさんは「恋はすごいなあ」と呟きます・・・。

ふたりを笑顔でながめる仲間たちを見て、

恋にはまわりのみんなをしあわせにするチカラもあるんだから

と思ったからです。

シビレル本」では、

大きな音で飛びはねるイルカさんに「タ、タカイ」とおどろくキュンタ。

イルカさんは、笑いながら言います。

本と同じさ

びっくりするような世界まで、連れていってくれるじゃないか!

それが「シビレル本」たちなのでしょう。

考える本」の扉は、大きなタコのいる岩場のようです。

「ちょっと休もうか」ということで、大きな岩にこしかけてほっとひといき。

次はどこに行こうか悩むキュンタにイルカさんは、

立ち止まって考えてみると、意外な答えに気づいたりするものなのさ

それにそのほうが、もーっと遠くまで行けるんだ!

と言います。

そうですね、夏こそちょっと立ち止まって、

考える本」でじっくり考えてみるのも大切かもしれませんね。

ヤバイ本」の景色は、

イナズマが光り、雷鳴がとどろきます。荒れだした海を必死に泳ぎながら、

「ヤバイ・・・!」としがみつくキュンタに、

でもちょっとワクワクしちゃわない?

大変なことをのりこえるほど物語はおもしろくなるんだから

とイルカさんは言います。

そうか、だから「ヤバイ本」って病みつきになるのかな?

最後は「泣ける本」です。

イルカさんとキュンタがたどりついたのは、最初の浜辺でした。

おじいさんに迎えられたキュンタは涙がとまりません。

そんなキュンタにイルカさんがつぶやきます。

遠くまで旅をすると近くにあるものの大切さに気づいたりするよね

終わる時はさみしいものさ。旅も本もね。
でも、だからこそ大切な思い出になるんじゃない?


今年もこの無料配布の冊子の物語を味わいました。

さすが「新潮文庫の100冊」です!

今年も購入特典の「ステンドグラスしおり」は魅力的です。

対象本を1冊購入すると1枚もらえるます。

4種類あるので、コンプするために4冊購入するのが例年のお決まりになりました。

さっそく私も4冊購入しましたが、どれも気になっていたものなので、

この機会に思い切ることができてラッキーでした(笑)

上の画像が私が購入した本と、特典の「ステンドグラスしおり」です。

中央にあるお馴染みの黄色い冊子に、キュンタとイルカさんのお話があります。

あなたはこの夏、どのジャンルから「旅のおとも」を選びますか?

ナツイチ2023(集英社文庫)

さて次に見ていくのは、集英社文庫の「ナツイチ」です。

今年のキャッチコピーは、

この夏、一冊分おおきくなろう。」です。

このキャッチに込められた想いは、

本屋さんの店頭で無料配布している冊子の表紙見開きに書かれています。

ぼくよまにゃ。
本と夏は、
似ていると思うんだ。

とくべつな出会いがあって、
夢中になればなるほど、
あっという間にすぎていく。

ちょっとせつないけど、
ぼくらはきっと、
そうしておおきくなるんだよね。

たくさんじゃなくていい。
たった一つ、たった一冊でいいから、
この夏は、そんな出会いがあるといいね。
きみもよまにゃ。

集英社文庫ナツイチ2023冊子より

ナツイチの冊子で、今年の冒頭を飾っているのは、

伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』です。

待望の文庫化ということで、本屋店頭でも驚異の平積みでこれでもかという冊数が置かれています。

昨年の冊子が映像化作品推しだったことと比較すると、

この作品への力のかけ具合が伺えるかと思います。

私もその勢いに負けて購入しました。

次のページからは今年も映像化作品が続きます。

ビートたけしさんの『アナログ』が映画の紹介とともに見開きで掲載されています。

この秋10月6日に主演二宮和也さん、ヒロイン波瑠さんで公開される映画原作です。

続く2ページでNETFLIXドラマ化の、

新庄耕さんの『地面師たち』と、伊坂幸太郎さんの『終末のフール』が紹介されています。

その後はこちらも4つのジャンル分けでそれぞれの本が紹介されていきます。

その4つのジャンルは、

  • ワクワクな本よまにゃ
  • ハラハラな本よまにゃ
  • ドキドキな本よまにゃ
  • フムフムな本よまにゃ

上記の4つで昨年とは若干表現が変わっています。

それぞれのジャンルについて、

集英社文庫のキャラクター「よまにゃ(ねこ)」が紹介しながら進みます。

ワクワクな本よまにゃ」では、

心はずむ言葉を追って
ページをめくっているうちに、
ぼくらもきっと
前に進んでいるんだと思う。

ナツイチ2023冊子より

一冊の本をワクワクしながら読むとき、

一歩前に進んでいるのかもしれませんね。

ハラハラな本よまにゃ」では、

ちょっと怖いな。
でも真実だけが
教えてくれることもきっとある。
勇気を出して、
ゆっくり読み進めてみない?

ナツイチ2023冊子より

怖いかな?怖いんだろうなー。

って思いながら、物語に入り込んでいくハラハラ感って癖になりますよね。

ドキドキな本よまにゃ」には、

胸がときめく。
すごくうれしい。
すこしうれしい。
その気持ちがわかるのが、
大人なのかもね。

ナツイチ2023冊子より

切ない想いを読書で共有するとき、

現実と同じくらいドキドキしませんか?

フムフムな本よまにゃ」は、

どんな本にも、
知らなかったことが
一つは書いてあるはず。
読み終えたきみは、
読む前のきみとは、
きっと変わっているね。

ナツイチ2023冊子より

このジャンルの作品は、

感動し、共感し、考えることで、

読む前の自分が知らなかったことを教えてくれるでしょう。

この夏、一冊分大きくなりましょう!

さらに、今年もお馴染みの企画「よまにゃチャンネル」があります。

豪華声優陣が、それぞれ名作・新作を朗読するのを聞くことができます。

声優陣の顔ぶれは、

  • 榎木淳弥
  • 梶裕貴
  • 神谷浩史
  • 島崎信長
  • 仲村宗悟

の5人です。

誰が、どの作品を担当するのかは、ナツイチ特設サイトから確認してください。

ナツイチ特設サイトから、対象作品の前半の朗読を聴くことができます。

まずはさわりだけでも聴いてみて、購入の参考にするのも良いかもしれませんね。

後半は、購入した本の帯についた二次元バーコードから聴くことができるようになっています。

さて「ナツイチ2023」の購入特典は、スマホの背面に貼って可愛く使える!

よまにゃ画面クリーナー」でしたね。

種類は4色!

こちらも4冊選んで、コンプリートしました。

それが、こちらです↓

こちらもまた、読むのが楽しみな作品ばかりです。

カドブン夏推し2023(角川文庫)

さて、次に紹介するのは、角川文庫の「カドブン夏推し2023」です。

今年のカドブンの夏フェアのテーマは、ご覧のように「夏推し!」です。

その意味について、小冊子冒頭で説明があります。

たくさんの本がある中で、どんな本を読めばいいかわからない。
そんなあなたに
カドイカさんと厳選した推し本をご紹介します。

カドブン小冊子より

カドブン独自の5つのジャンルが設定されており、

「マインドマップ」のような図を見ながら自分の「好きをつなげて、推しを見つける

ということのようです。

その5つのジャンルは、

  • しらない世界とつながる!
  • 驚きの謎とつながる!
  • 語りつがれる想いとつながる!
  • 心揺さぶるラストへつながる!
  • 大人も子どももみんながつながる!


一つ目のジャンル「しらない世界とつながる」では、

ファンタジー」「冒険」「ふしぎ」というキーワードにマップが伸びています。

これらのワードが好みなら、

「しらない世界とつながる」にラインナップされた作品から選ぶと推しが見つかる

という仕組みです。

二つ目は「驚きの謎とつながる」です。

こちらのキーワードは、

怪異」「密室」「ハードボイルド」「サスペンス」が1階層目ですが、

サスペンス」というワードは、その下の階層の「人間ドラマ」とともに

心揺さぶるラストへとつながる」というジャンルとも共有されています。

さらに、「怪異」の次の階層にある「ホラー」というワードは、

一つ目のジャンル「しらない世界とつながる」の「ふしぎ」の下の階層でもあります。

つまり、「ホラー」いうワードが「好き」ならば、

しらない世界とつながる」でも、「驚きの謎とつながる」でも、

推し」が見つかる可能性があるというになりますね。

と言っても言葉では分かりにくいと思いますので、

気になる方は、書店で小冊子を貰って確認してみてください。

その他のジャンルには、

語りつがれる想いとつながる」、「大人も子どももみんながつながる

があります。

それぞれ、どのような作品とつながるのか、確認してみるのも面白いですよ。

カドブンのプレゼントキャンペーンは、

抽選で豪華賞品を合計500名様にプレゼント」でした。

購入した本の帯についている「応募券」をハガキに貼って送るか、

KADOKAWAアプリ」から応募ができます。

詳しくは、小冊子裏表紙か、⇨のリンクから公式サイトで確認してください。

私も以前から気になっていた作品で参戦しました。

中央に写っているのが小冊子です。

こちらには、「カドイカさんをつなげ!」というプレゼント企画もありますので、

トライしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

本好きの皆さんには、夏といえば文庫各社の「夏フェア」がお楽しみですよね。

書店店頭でこの演出を見ると、

「あぁ、今年も、もう夏がやってきんだなー」と、なんかウキウキしてきます。

ということで、2023年夏の文庫3社の企画を、私なりに比較してみました。

それぞれ特色が出ていて、毎年色々考えるの大変だろうな、と感心してしまいます。

夏の旅のお供にも、猛暑を避けて引き篭もるにも、好きな物語と一緒なら、

今年の夏もきっと、楽しい日々になりそうですね。

私は3社の企画で、新たに10冊の本をお迎えしました。

日頃、なかなかこれほど一気に購入することはないのですが、

「夏フェアだけは、特別!」と自分を甘やかしてます(笑)。

今年の夏も、積読消化に全力で臨まなきゃです!

みなさんが、この夏素敵な作品に出会えますように。

この記事が何かあなたの参考になれたら、うれしいです。



コメント

タイトルとURLをコピーしました