「Kindle Unlimited 読み放題」について
アマゾンが提供する「Kindle Unlimited 読み放題」のサービスはご存知でしょうか?
200万冊以上の対象の本を定額で読むことができるサービスです。
読み放題なら、今まで読んだことのない作者の本にも気軽にチャレンジできそうですね。
たくさんある対象本の中からどれを選ぶのかも、楽しみの一つではないでしょうか?
※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらで確認してください。
「初回30日間無料サービス」があるので、初回の30日お試し期間なら何冊読んでも無料です。
これまでにも何回か、私が読み放題で読んだ本の紹介をしてきました。
先月(2022年2月)に紹介したのが下記の記事です。
そこで今回もその続編として、2022年3月版の紹介をしようと考えたのですが…。
今回のタイトルが「読める」ではなく「読んだ」に変わっています。
これは、私が2月中に読み放題で読んで紹介しようと思った4冊が、現時点で「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったからです。
本来の趣旨とはズレるのですが、これまでにも「Unlimited」に復活したケースはあるので、作品の紹介はすることにしました。
この記事は、こんなあなたにおすすめです。
- とにかくお得にたくさん本を読みたい方
- 部屋の中に日々増え続ける本をなんとかしたい方
- Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
- Kindle Unlimited を試してみようかと迷っている方
そんなあなたに、なにか参考にしてもらえればうれしいです。
それでは今回も順に紹介していきましょう。
『さいはての彼女』原田マハ
今回紹介する一冊目の本は、原田マハさんの『さいはての彼女』です。残念ながら、3月現在「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
※2022年11月1日確認:この作品は、現在「読み放題」の対象に復活しています。
他の3冊もそうですが、読み放題の対象から外れても、どれもオススメの作品です。
25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。
Amazon 紹介あらすじより
上記の紹介文にあるように「敏腕若手女性社長の鈴木京香」を主人公にしたオムニバス短編集です。
以下の4つの短編が織りなすように物語を展開します。
- さいはての彼女
- 旅をあきらめた友と、その母への手紙
- 冬空のクレーン
- 風を止めないで
4編それぞれの主人公の目線で紡がれる物語です。
それは、慌ただしい日常の中でともすれば忘れがちになってしまう大切なことを思い出させてくれます。
タイトル作の「さいはての彼女」の触りだけ紹介します。
物語の始まりは、羽田空港の出発ロビーから。
「敏腕若手女性社長の鈴木京香」は、経営者としての激務をこなしてやっと確保できた二泊三日のヴァカンスで沖縄に旅立とうとしていました。
話はそれますが、上記の肩書きに添えられた修飾語の多さが、鈴木京香の人物像を物語るようですね。
「敏腕」+「若手」+「女性」+ 「社長」
仕事に関してバリバリのやり手で、自信に満ちている。
そのせいで、他人にも完璧を求めてしまって、気の利かない者には容赦ない叱責を与える。
そんな人物像をイメージさせるような作為を感じてしまいます。
実際その後に描写される京香の、手荷物検査官への対応や、会社での部下たちへの応対を見ると、「あーやっぱりね」と思います。
必死に成り上がった経営者としての多忙な日々が、周囲を思いやる余裕を奪ってしまったのでしょう。
その当たりの強さに辟易した何人かの重要なスタッフが辞表を提出、京香のもとから去っていこうとしていました。
「有能な秘書」である「高見沢」もその一人で、この沖縄旅行の手配が彼女の最後の仕事でした。
フライト時間ギリギリに搭乗口にたどりついた京香が、地上係員から告げられた行き先は・・・。
「有能な秘書」の高見沢は、最後の仕事で京香への意趣返しを実行しました。
高見沢の「意趣返し」で沖縄とは真逆の地に行く羽目になった京香は、その旅で今までの人生観を変える貴重な経験をします。
そして羽田に帰る搭乗手続きをする頃には、京香は生まれ変わっていました。
これは、冒頭の紹介文にもあるように、4つの短編が織りなす再生の物語です。
この物語を読むものにも「風が吹き」一緒に浄化されていくような、オススメの一冊です。
『ヒートアップ』中山七里
次に紹介するのは、中山千里さんの『ヒートアップ』です。
こちらも3月現在「Unlimited 読み放題」の対象外になったようです。
七尾究一郎は、おとり捜査も許されている厚生労働省所属の優秀な麻薬取締官。製薬会社が兵士用に開発した特殊薬物〝ヒート〞が闇市場に流出し、それが原因で起こった抗争の捜査を進めていた。だがある日、殺人事件に使われた鉄パイプから、七尾の指紋が検出される……。誰が七尾を嵌めたのか!? 誰も犯人を見抜けない、興奮必至の麻取(マトリ)ミステリ!
Amazon 紹介あらすじより
主人公の「七尾究一郎」は麻薬取締官です。
薬物が効きにくい特殊体質を利用して、おとり操作で優秀な実績を残してきました。
ある日、軍事目的で開発された薬物「ヒート」が街の若者の間に出回っている情報が入ります。
外資の製薬会社が、戦場で兵士を人間兵器に変える「特殊薬物ヒート」を日本支社で開発しました。
その開発途中で治験がわりに、効果を弱化させたドラッグを青少年のチーマーたちに流したのです。
薬を使用したものがどのように凶暴化するかの人体実験が目的です。
その支社は閉鎖されますが、残っていた「ヒート」を何者かが持ち出したらしいことがわかります。
そして、金を得るために「ヒート」を勢力争いをするチーマーに流したことで乱闘事件が発生します。
その薬の噂は、ヤクザや外国人マフィアにも広がっていきました。
もし、そんな組織にこの薬が拡散すれば、抗争が激化し一般市民を巻き込んだ「戦争」に拡大しかねません。
七尾たち麻薬取締官と警察とが協力して、なんとかその取引現場を押さえる寸前まで行きました。
問題が根本から一掃されるはずだったその現場で、流出元と思われていた男が殺されてしまいます。
そして、その犯行に使われた凶器の鉄パイプから「七尾の指紋」が検出されたのです。
なぜ、「七尾」は嵌められたのか?
誰が、なんのために「七尾」をはめたのか?
事件の裏に隠された壮大な陰謀!
読み始めたら止まらない、スピード感!
一気読み必至の傑作です。
『カラスの親指』道尾秀介
次に紹介するのは、道尾秀介さんの『カラスの親指』です。こちらも残念ながら、3月現在「Unlimited 読み放題」の対象外になったようです。2022年4月27日確認:「Unlimited 読み放題」に復活しています。2022年9月4日確認:残念ですが、再度対象外になっていました。m(_ _)m
2022年11月1日確認:こちらの作品は、現在「読み放題」の対象に復活しています。
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。
Amazon 紹介あらすじより
主人公の「武沢竹夫」は詐欺師。
その詐欺師の「武沢」を騙そうとした男「入川鉄巳」と、妙な縁でタッグを組み二人で詐欺を続けるようになります。
武沢は入川のことを「テツさん」と呼びます。
なぜか成り行きで、一緒に詐欺をはたらくようになった武沢とテツさんでしたが、二人にはそれぞれ辛い過去がありました。
そんなある日、二人が「仕事」を済ませた上野の雑踏で、男の上着から財布を抜き取ろうとする少女を目にしました。
少女は、気づかれて逃げる途中で怪我をして男に捕まりそうになりますが、武沢が助けて逃してやります。
そして、行く場所がなくて困ったら「うちに来りゃいい」と武沢は少女に告げてしまいます。
それは、偶然よみがえった過去の苦い思い出が原因でした。
しばらくすると、その少女(まひろ)は、本当に武沢とテツさんの家にやってきました。
おまけに、姉の(やひろ)とその彼氏の(石屋)も合流してきたのです。
こうして一緒に暮らすことになった5人は、過去の因縁の組織を相手取り一大詐欺を仕掛けます。
果たして、その計画はうまく行くのか?
5人は平穏な日々を取り戻すことができるのか?
そして、この物語を最後まで読んで初めてわかる壮大な計画!
きっとあなたもだまされます!!
だまされても清々しい気持ちになれる、オススメの一冊です。
『緩やかな反転』新津きよみ
4冊目に紹介するのは、新津きよみさんの『緩やかな反転』です。こちらも残念ながら、「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
※2022年11月1日確認:こちらの作品は、現在「読み放題」の対象に復活しています。
亜紀子はある日、見知らぬ女性の訪問を受けた。最後の記憶は、訪問者を玄関に請じ入れたこと。だが、次に気付いたとき、亜紀子は血のついた野球のバットを握り、床に倒れた“自分自身”を見下ろしていた! 加害者の姿になって行き場を失った亜紀子は、その女性の持ち物から調べた住所へ、やむなく足を運ぶ。なぜ“私”は彼女に殺されなくてはならなかったのか?対照的な2人の女性の人生が交錯する、サスペンスミステリ。
Amazon紹介あらすじより
物語は、主人公の「亜紀子」が、血のついたバットを握り、自分自身が倒れているのを目撃するところから始まります。
どうやら、亜紀子は自分を襲った犯人と「精神」が入れ替わってしまったようです。
ということは今の自分は傷害犯であることに気づき、その場を逃れてその女性として謎を解こうとします。
物語の前半は、よくある「入れ替わりもの」かなと思いながら読み進めました。
バリバリのキャリアウーマンである「亜紀子」は、専業主婦のその女性として生活する中で次第に心境に変化があったりします。
それにしても亜紀子には、本来の自分とその女性との関わりについて全く記憶がありません。
二人の間に何があって、こうなってしまったのか?
謎を解く過程で、徐々に過去の二人の接点に近づいていきます。
不思議な運命に導かれた二人。
亜紀子の過去の記憶に埋もれていた、秘密の出会いとは・・・。
少しづつ明らかになる過去にぐいぐい引き込まれる、一気読み必至の作品です。
『月の娘にスープを送る』高山環
今回最後に紹介するのが、高山環さんの『月の娘にスープを送る』です。
Amazonランキングで1位を獲得しました!(ミステリー・サスペンス・ハードボイルドとSF・ホラー・ファンタジーの2部門)
娘の無実を証明するためにスマートスピーカーを占拠したCG猫の正体を探るサスペンスミステリーです。バラバラになった家族の再生の物語でもあります。ITに興味がない人も楽しめると思います。
Amazon 紹介文より
新しい音声認識機能を搭載したスマートスピーカーの新製品発表の場で、システム全体が正体不明のCG猫に乗っ取られてしまいます。
その事件と前後して、主人公の元に現れた会話する「ダイオウグソクムシ」。
それは、主人公の居る世界よりも「先の現代」からやってきた「思念」だと言います。
その「ダイオウグソクムシ」は、スマートスピーカーの乗っ取り事件を起こしたのは、主人公の中学生の娘だと言うのです。
そこから、主人公はCG猫の正体を探るために行動を起こします。
謎を追う過程で、バラバラになりかけていた家族が次第に再生されていきます。
そして、ラストに待つ意外な・・・。
犯人のハッカーに立ち向かっていくワクワク感と、家族が再生されていく癒しとが同時に味わえるオススメの一冊です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「Kindle Unlimited 読み放題」で2022年2月に読んだオススメの5冊を紹介しました。
冒頭でもお伝えしたように、5冊中4冊が3月になって「読み放題」の対象から外されてしまいました。
「『読み放題』でこんな本が読めるんですよ」と紹介したくて始めたシリーズですが、今回は少しイレギュラーになってしまいすみません。
ただ、どの作品も紹介したいものでしたので、今回はこのような形でお伝えしました。
そのうち「読み放題」の対象に復活するかもしれないので、継続的にチェックしてお知らせしたいと思います。
なお、「読み放題」対象中にダウンロードしたものは、対象から外れてもそのまま保持しておくことが可能です。
最大20冊までキープできますので、気になった作品は見つけた時にダウンロードしておくのが良いかもしれませんね。
以上、この記事が何か少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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