「Kindle Unlimited 読み放題」で読める小説5選(2022年6月版)

読書

「Kindle Unlimited 読み放題について」

Amazonが提供する本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited」は、ご存知の方も多いかと思います。

200万冊以上の対象本が、月々定額で読み放題になるサービスですね。

読み放題なので、今まで読んだことのないジャンルや作者の本にも、お試し感覚でチャレンジできます。

実際に私も、「Unlimited」のおかげで新たな作者さんとの出会いを楽しんでいます。

読書の幅が広がるのってちょっと良いと思いませんか。

※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらをご確認ください。

初回30日間無料サービス」は、初回30日のお試し期間なら何冊読んでも無料です。

合わないと思ったら、無料期間中にやめれば良いので、気軽に試すことができますよね。

なお、先日のゴールデンウィークセールのように、割安価格で始められるキャンペーンも時々実施しているようなので、その辺りもチェックしておくと良いかと思います。

そんな読み放題の中から、これまで私が読んだ本の紹介を何回かしてきました。

前回は、(2022年5月版)として下記のように5作品を紹介しました。

上の記事で紹介した作品は以下の5作でした。

  • 『迎撃せよ』福田和代
  • 『生還せよ』福田和代
  • 『アマテラスの暗号』伊勢谷 武
  • 『レイライン:千三百年間の謎 失われた秘剣』榊正志
  • 『虹の岬の喫茶店』森沢明夫

ということで今回も、「2022年6月版」5作品を紹介したいと思います。

この記事は、こんなあなたにおすすめします。

  • Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
  • Kindle Unlimited を試してみようかと考えている方
  • とにかくお得にたくさんの本を読みたい方
  • 今まであまり手に取ってこなかった作家さんの作品を読んでみたい方

そんなあなたに、何か参考にしてもらえたらうれしいです。

では、「2022年6月版」を紹介します。

『ヒカルの卵』森沢明夫

今回1冊目に紹介するのは、森沢明夫さんの『ヒカルの卵』です。
※2022年9月確認:こちらは、読み放題の対象外になったようです。

限界集落を舞台に、一見のんびり屋の主人公が村の人々を巻き込んで繰り広げる心温まる物語です。

「俺、店を出すぞ」ある日、自称・ツイてる養鶏農家の村田二郎が、村おこしに立ち上がった。その店とは、世界初の卵かけご飯専門店。しかも、食事代はタダ、立地は限界集落の森の中、とあまりに無謀。もちろん村の仲間は大反対だ。それでも二郎は養鶏場を担保に、人生を賭けた大勝負に出てしまう。はたして、過疎の村に奇跡は起きるのか? 食べる喜び、生きる素晴らしさに溢れたハートフルコメディ。

Amazon紹介文より

主人公の「村田二郎」は限界集落で養鶏農家を営んでいます。

面長ののんびりした表情が、あの「ムーミン」に似ているので、子供の頃から「ムーさん」と呼ばれていました。

子供の頃、今は亡き「父ちゃん」が言った言葉を、ムーさんは大人になった今でも思い出します。

いいか二郎、いつだって雄鶏みていに胸張って、顔をいまより五度上に向けて歩けぇ。たったそんだけで、未来はきっといい方に変わっからよぉ

父のその教えは、ムーさんをポジティブな大人に育てました。

ムーさんの口癖は「俺はツイてんなぁ」です。

少しくらい困難なことがあっても、その中の良い面を見つけて「俺はツイてんなぁ」と飄々としています。

あるいはそう口にすることで、気持ちをポジティブな方に切り替えているのかもと思えるほどです。

そんなムーさんが村おこしのために一大プロジェクトを立ち上げます。

第一弾は「卵かけご飯専門店」です。

ムーさんは言います。

「俺、近いうちに、卵かけご飯の専門店を出すぞ」

「………」

「食事代はタダにする。こんなど田舎の小さな店でもよ、タダなら一度は喰ってみようって気になんべ?しかも、卵かけご飯の専門店なんて、日本のどこにもねえから話題になんべさ」

『ヒカルの卵』森沢明夫

なんと、食事代「タダ」の店だと…。

周りの人々は当然ながら、「そんなの無理だ」と反対します。

けれど、ムーさんには意外にもちゃんとした事業計画があり、銀行からの借入までしていました。

最初は否定的だった周囲の人も、次第にムーさんの熱意に影響されて強力するようになっていきます。

「卵かけご飯専門店」の後にも第2弾、第3弾と展開されていくムーさんの構想。

次第に村の人々が活気付いていくようすは、読む者も爽快な気分にさせてくれます。

物語を読み終わってページを閉じる時、思わず微笑んでいる自分に気づくかもしれません。

『羊と鋼の森』宮下奈都

2冊目に紹介するのは、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』です。

第13回本屋大賞受賞作でもあるので、ご存知の方も多いかと思います。

この作品が「読み放題」で読めるって、ちょっとびっくりしました。

読み始めて数ページで、「なんて美しい作品なんだ」と魅せられてしまいました。

※お詫び
2022年7月12日現在、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
また復活することもあるかもしれませんが、ご了承ください。

ゆるされている。世界と調和している。

それがどんなに素晴らしいことか。

言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。

Amazon紹介文より

主人公の僕(外村)は、高二の二学期、中間試験の期間中、図書室で自習しようかと「たまたま」教室に残っていました。

そして「たまたま」それを見つけた担任に、来客の案内を頼まれます。

その来客とは「ピアノの調律師」でした。

体育館のピアノの調律のために呼ばれてきた彼は「板鳥」と名乗りました。

本来対応するはずの担任は会議が入ったため、生徒(外村)が対応すると伝えてあったようです。

「板鳥」によるピアノの調律が始まると、外村は「森の匂い」を感じました。

そして、調律が進むにつれ、そのイメージは次第に「具体的な時間帯、場所など」にくっきりと絞り込まれていきます

外村は、ピアノの音に景色を見たように感じたのです。

鮮明な景色を浮かび上がらせた板鳥の調律に出会い、外村はピアノという楽器に魅せられてしまいました。

そして、自身も調律師を目指すことを決めたのです。

調律師の修行をする中でさまざまな出会いがあります。

とりわけピアニストを目指す、双子の姉妹との出会いは彼にとって大きな転機になります。

物語全編を通して、ピアノの旋律が聴こえてくるような、とても美しい作品だと思います。

『密やかな結晶』小川洋子

次に紹介するのは、小川洋子さんの『密やかな結晶』です。

まわりのさまざまなものが、徐々に消滅する島の物語です。

消滅」はある日突然やってきて、その対象になったものは次第に人々に記憶からも消えていきます

日常に当たり前にあったものが、ひとつづつ失われていく世界で生きるということはどんな感じがするものなのでしょうか?

※お詫び
2022年7月12日現在、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
また復活することもあるかもしれませんが、ご了承ください。

その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。

鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。

Amazon紹介文より

まわりのものが「消滅」するとはどういうことなのでしょう?

主人公の「わたし」がまだ幼かった頃、「それは怖いことなの?」と母親に尋ねました。

その問いへの母は答えは、

いいえ。大丈夫。痛くも苦しくもないからね。朝ベッドの中で目を開けたら、知らないうちにもう終わっているわ。じっと目を閉じて、耳をすませて、朝の空気の流れ方を感じ取ってごらんなさい。どこかがきのうと違うはずよ。そうしたら、自分が何をなくしたのか、島から何が消え去ったのか、あなたにも分かるわ。

そんなふうに、その島ではいろいろなものが「失われて」いきます。

そして、その「消滅」から二・三日すると、人々は「何をなくしたのかさえ、もう思い出せなくなる」のです。

ただ、例外的に「消滅」したものの記憶を持ち続ける人がいます。

しかし、「消滅」したものとその記憶が残り続けることは、この島では不都合なことなのです。

体制にとって不都合なものを消し去るため、「秘密警察」によって「記憶狩り」が実行されます。

いつ疑いをかけられて「記憶狩り」に会い、連行されるかもしれないのです。

記憶を持ち続ける人の、「失われたもの」を守りたいという気持ちは、

「何が失われたかさえ覚えていない普通の人々」にはなかなか理解できないでしょう。

次第にいろいろなものの記憶が失われていく先には、どんな世界が待っているのでしょうか?

「秘密警察」による「記憶狩り」のシーンで、

私は、「ジョージ・オーウェル」の『一九八四年』を思い出しました。

全体主義によって管理される社会は、人々を衰弱させるのだと。



『幸福な食卓』瀬尾まいこ

今回4冊目に紹介するのは、瀬尾まいこさんの『幸福な食卓』です。

主人公の「佐和子」の家では、朝食は必ず家族揃って食べるのがルールです。

そして、大切なことはその朝食の席で家族に報告されます。

春休み最後の日の朝食で、父親が宣言した一言、
父さんは今日で父さんを辞めようと思う

そして、佐和子の「ちょっとヘン」な家族の物語が始まります。

※お詫び
2022年7月12日現在、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
また復活することもあるかもしれませんが、ご了承ください。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。

Amazon紹介文より

主人公の「佐和子」は中学2年。

佐和子は梅雨時になると、食事もとれないほど体調が悪くなります。

それは、梅雨時に起きたある出来事の記憶がもたらすものです。

普段は忘れているのに、梅雨時になると「リアルにクリアに」思い出されてしまうのです。

その出来事は、母親が家を出ていった原因にもなりました。

家族それぞれが、こころに問題を抱えながらも微妙なバランスで暮らしています。

そんな佐和子にもボーイフレンドができました。

高校受験に向けて入った塾で知り合った「大浦くん」です。

最初は佐和子をライバル視していた大浦くんですが、次第に好意を抱くようになります。

そして、佐和子も同じ気持ちでした。

同じ高校に合格した二人は、付き合うようになります。

けれど、そんな二人の幸せな時間もやがて、終わりがきます・・・。

悲しみの淵から抜け出せずにいる佐和子に、兄のガールフレンドがかけた言葉。

普段はガサツで、言葉もぶっきらぼうな彼女ですが、その言葉が沁みます。

「家族は作るのは大変だけど、その分、めったになくならないからさ。あんたが努力しなくったって、そう簡単に切れたりしないじゃん。だから、安心して甘えたらいいと思う。だけど大事だってことは知っておかないとやばいって思う。まあ、とにかく、あんたはちゃんと元気になれる環境にいると思うし、元気にならないといけないとも思う。別に急がなくてもいいし、どんな風でもいいんだけど、もう少し元気出してよ。って思ってるんだって、私だってさ」


そんな不器用な優しさに触れて、佐和子はやがて気付きます。

私は大きなものをなくしてしまったけど、完全に全てを失ったわけじゃない。私の周りにはまだ大切なものがいくつかあって、ちゃんとつながっていくものがある。

これは、一人の少女とその家族の再生の物語です。

雲間から陽の光が地上に射す光景を見るような、読後感でした。

『レイライン2 もう一つの剣』榊 正志

今回最後に紹介するのは、榊正志さんの、
レイライン2 もう一つの剣:追い詰められた信長 失われた秘剣

こちらは、前回(2022年5月版)で紹介した『レイライン:千三百年の謎 失われた秘剣』の続編です。

前作で決死の戦いの末に見つけ出した「秘剣」には、もう一本同じものがありました。

その「秘剣」を探し出す闘いが、再度繰り広げられます。

『レイライン・千三百年間の謎』の続編にして完結編。  白村江の戦いの戦後、交わされた日朝間の領土に関するもう一つの剣の存在が、日本の脅威になることがわかった。  大学教授・桜井哲子と警察官・進藤志郎のコンビが日本中を捜索し、剣を追う。中国と北朝鮮の諜報部隊と、哲子の運命の姉妹である信子が怒涛のように剣に肉薄する。

Amazon紹介文より


元々その「剣」は、白村江の戦いの戦後処理に関する契約を記したものなので2本で一対でした。

そのうちの大和側の1本は、哲子と進藤により見つけ出され、「日本一安全な場所」に戻されました。

しかし、新羅側の剣がまだどこかにあるはずです。

新羅のものなので、本来であれば朝鮮半島のどこかにあると思われました。

ところが、新羅は唐の脅威を牽制するため大和と手を結び、その過程で「剣」を大和に戻したらしいことがわかります。

その剣が、熱田神宮に「草薙剣」として祀られたというのです。

そして、織田信長が「桶狭間の戦い」で今川勢に対して劣勢だった自軍を鼓舞するため、その「草薙剣」を手にしたと。

信長は、草薙剣を手にすることで自分が神に選ばれた、天下人であることを誇示しようとしたのです。

その後、本能寺の変で「明智光秀」の手を経てどこかに移された剣の行方を、哲子と進藤は追うことになります。

前作で取り上げられた「毛沢東」と「旧日本軍」との契約期限まで、あと二十日。

それまでに中国側に剣が渡れば、現在の日本の領土が奪われるという危機が迫っています。

日本中に張り巡らされた「レイライン」を辿りながら、謎を解いて「敵」より早く剣を見つけなければなりません。

期限が迫る中、次第に手段を選ばず攻撃を仕掛けてくる工作員たち。

進藤たちは、日本を守ることができるのでしょうか?

最後の決戦では、「えっ、そこでそんな戦いになってるのに、日本は国としてもっと戦えないのか?」

というモヤモヤ感はあります。

前作と比較してストーリー展開に若干強引さも感じましたが、謎解きとハラハラ感は楽しめる作品でした。

まとめ

いかがでしたか?

今回も引き続き、2022年5月に「Kindle Unlimited 読み放題」で私が読んだ5冊を紹介しました。

ゴールデンウィーク期間中は、新規入会を狙ってか、結構良い作品が読み放題にラインナップされていたと感じました。

無料期間延長とか、「2ヶ月99円」とかのキャンペーンもやってましたね。

そんな感じで、時々お得なキャンペーンも実施されるので、時々除いてみることをお勧めします。

今回の記事が何かあなたの参考になればうれしいです。

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