「Kindle Unlimited 読み放題」について
みなさん、アマゾンが提供する「Kindle Unlimited」はもうご存知ですよね。
200万冊以上の対象本が月々定額で読み放題になる、本のサブスクです。
ダウンロードして「ライブラリー」に保持しておける本の数は、現在20冊までです。
20冊を超えて別の本を読みたい場合は、「ライブラリー」中の読み放題対象本と入れ替えればOKです。
読後どうしても残しておきたい感動作などは、その時点でKindle本として購入する手もあります。
この場合も、紙の本より安く購入できます。
(どの程度割安かは、本によって異なるのでAmazonのサイトで確認してみてください)
私は、Amazonのリンクから、紙の古本で買い直す場合もあります。
気軽に新しい作品にトライできるので、読書の幅が広がるのはメリットだと思いませんか?
※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらをご覧ください。
初めて利用する方なら、「初回30日間無料サービス」で、期間中何冊読んでも無料です。
合わないなと感じたら、無料期間中にやめるのも簡単なので、気軽にトライしてもらえればと思います。
これまで何回か、私が「読み放題」で読んだ本の紹介をしてきました。
5月31日に、(2022年6月版)として紹介したのが下記の記事です。
今月は良い作品との出会いが多かったので、「2022年6月版パート2」として、さらに5作品を追加したいと思います。
この記事は、こんなあなたにおすすめします。
- Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
- Kindle Unlimited を試してみようかと考えている方
- 今まであまり手に取ってこなかった作家さんや作品を読んでみたい方
- とにかくお得にたくさんの本を読みたい方
そんなあなたに、何かの参考になればうれしいです。
では、「2022年6月版パート2」の5冊を順に紹介します。
いってみましょう!
『翼をください』原田マハ
今回一冊目に紹介するのは、
原田マハさんの『翼をください』です。
2022年7月12日現在、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
また、復活することもあるかもしれませんが、ご了承ください。
2022年9月5日確認:こちらの作品が、再度「読み放題」の対象になったようです。
※2022年11月1日確認:こちらの作品は現在「上巻」のみが読み放題の対象のようです。
下巻は、「読み放題」の対象外ですのでご了承ください。
※2009年9月に出版された単行本を上下2冊に分割して文庫化されたものです。
太平洋戦争に日本が踏み出そうとしていた直前に、純国産機で世界一周を成し遂げた日本人がいました。
戦後、GHQにより、歴史から消されかけた日本人の偉業。
かつて、カメラマンとしてその機に搭乗した、一人の老人から当時の様子が甦ります。
新聞記者の翔子は、資料室で1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真を見つけた。翔子はプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザスへと飛ぶが……。
Amazon 上巻の紹介文より
空を駆けることに魅了されたエイミー。日本の新聞社が社運をかけて世界一周に挑む「ニッポン号」。二つの人生が交差したとき、世界は――。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
Amazon 下巻の紹介文より
入社以来7年間、地方支局の記者を務めてきた「青山翔子」は、念願の本社勤務に就くことができました。
そこで、暁星新聞社135周年プロジェクトに関わることになります。
与えられた仕事は、専務取締役であり、記者の頂点に位置する「主筆」岡林泰三のインタビュー記事でした。
青山にとって、岡林は憧れの存在でもあります。
その岡林から語られた一人の人物の名前が「山田順平」でした。
彼について岡林は言いました。
・・・わが社の黄金期を創った社員は何人かいます。戦前、航空部所属カメラマンだった山田順平などは、歴史に置き去りにされてしまった人物。暁星の知名度、いや、日本の知名度を、戦前の難しい局面にあって一躍上げた。もっと評価されてもいいのではないでしょうか
暁星新聞社の社運を賭けたプロジェクト、「純国産機での世界一周」を成し遂げた乗員の一人が山田順平だったのです。
青山はその「山田順平」の功績を記事にするため、彼の行方を追うことになります。
そしてやっと辿り着いたカンザスの地で、彼から話を聞くことができました。
彼「山田順平」から語られた、世界一周の秘話には数奇な運命に巻き込まれていった人々の思い出が生き続けていたのです。
物語の前半は、天才女性パイロット「エイミー・イーグルウィング」が世界一周にチャレンジするお話です。
彼女もまた、太平洋戦争に向かおうとしていた当時の大国の思惑に翻弄された人でした。
そしてとても魅力的な女性です。
これ以上はネタバレになるので書けませんが、ぜひ一度読んでみていただきたいおすすめの作品です。
『神様の定食屋』中村颯希
今回2冊目に紹介するのは、
中村颯希さんの『神様の定食屋』です。
突然の事故で両親を亡くした兄妹が、両親の後を継いで始めた定食屋。
その定食屋を舞台に、さまざまな人びとの想いを救うこころ温まる物語です。
両親を事故で失った高坂哲史は、妹とともに定食屋「てしをや」を継ぐことに。ところが料理ができない哲史は、妹に罵られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「いっそ誰かに体を乗っ取ってもらって、料理を教えてほしい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様が現れて、魂を憑依させられてしまった。料理には誰かの想いがこもっていることを実感する、読んで心が温まる一冊。
Amazon紹介文より
両親が残した「定食屋」を続けたいという妹の想いに応えるため、「哲史」は努めていた会社を休職して妹に協力しようとします。
妹は、両親の手伝いで定食屋の仕事を手伝ってきたのである程度のことはわかっています。
それに対して哲史は、今まで料理なんてしたこともありません。
想像以上に使えない兄に、妹は「キレて」つい罵ってしまいます。
そんな兄妹喧嘩の末、店を飛び出して立ち寄った神社で愚痴っていると、なんと神様が現れました。
神様は、誰かの願いと、その願いを叶える役割ができる他の誰かの願いとを繋ぎ合わせるらしいのです。
その方法は、「最後に料理を食べさせたかった」という思いを残して亡くなった魂を、哲史に憑依させることです。
そしてそのことで、彼に料理を覚えさせると同時に、魂の想いをとげさせてあげることでした。
さまざまな未練を抱えた魂たちが神様のはからいで、哲史の体をかりて最後の食事を作ります。
誰かのことを想い、手間を惜しまずにつくられた料理は、食べる相手の心も救うのかもしれません。
そして哲史もその過程で、大切なものを学んでいくのです。
このお話の続編『神様の定食屋2 ごちそうさま、めしあがれ』も、Kindle Unlimited で読むことができます。
「料理を上達したい」という願いと引き換えに、神様から未練を残した魂を憑依させられていた高坂哲史。その神様と会えなくなって、はや数ヶ月、いつもの通り妹と気まずくなった哲史は、神社を訪れていた。返事がないとわかっていながらも神様に話しかける哲史にまさかの返事が! 何やら未練を解決してくれる神様と哲史のことが魂の間で話題になっていたようで――。忘れたくない味、忘れられない味を繋ぐハートフルストーリー第二弾。
Amazon紹介文より
こちらも、合わせておすすめします。
『森崎書店の日々』八木沢里志
次に紹介するのは、八木沢里志さんの『森崎書店の日々』です。
※2022年9月確認:こちらの作品は「読み放題」の対象から外れているようです。
※2022年11月1日確認:こちらの作品は現在「読み放題」の対象に復活しているようです。
恋人も仕事も失って、絶望の淵に沈んでいた「貴子」。
心配した母親の計らいで、叔父の経営する古書店に住むことになります。
交際を始めて1年になる恋人から、突然、「他の女性と結婚することになった」と告げられた貴子は、深く傷ついて、ただ泣き暮らす毎日を送ることになった。職場恋愛だったために会社も辞めることになった貴子は、恋人と仕事をいっぺんに失うことに。そんなとき叔父のサトルから貴子に電話がかかる。叔父は40代、奥さんの桃子さんに家出され、ひとりで神保町で「森崎書店」という古書店を経営していた。飄々としてつかみどころがなく、親類の間では変人として通っていたサトル叔父、小さい頃は貴子も遊んでもらったこともあったものの、ここ数年は交流はなかった。その叔父からの連絡は、「店に住んで、仕事を手伝って欲しい」というものだった。誰かの救いを求めていた貴子は、叔父の申し出を受け入れて、本の街のど真ん中に住むことになった――。
Amazon紹介文より
主人公の「貴子」は、付き合って一年になる「恋人」の「英明」から、突然「俺、結婚すんだ」と告げられました。
「そんな、プロポーズも無しに宣言されても」と思った貴子でしたが、その結婚の相手とは、同じ職場の別の部署に勤める貴子と同期の女の子でした。
英明は全く悪ぶれる様子もなく、平然と「でもまあ、貴子ともたまには会えるしさ」と言ってのけるクズなのです。
「恋人」と思っていた英明とも別れ、職場にも居づらくなって、貴子は職も失ってしまいました。
そんな時に、救いの手を差し伸べてくれたのが叔父の「サトル」さんでした。
サトル叔父が営む神保町の古書店「森崎書店」の2階で、貴子は暮らすことになったのです。
物語の冒頭で、貴子は森崎書店での日々を振り返ります。
決して忘れえぬ、大切な場所。
それが、わたしにとっての森崎書店だ。
その思い出たちは、いまでも鮮明に瞼の裏に浮かんでくる。
古書店の2階で古本たちの黴臭い匂いに囲まれて、本に埋もれるようにして過ごした日々。
その日々が、貴子に本当の人生をはじめるきっかけを、与えてくれたのです。
最低最悪の目にあって、どん底に落ちた貴子を優しく拾い上げて、
癒してくれた「森崎書店」と街の人々。
とても温かな気持ちになれる、おすすめの作品です。
この物語を読み終えたら、古書店の2階に住みたくなりました。
『夏美のホタル』森沢明夫
次に紹介するのは、森沢明夫さんの『夏美のホタル』です。
森沢さんの作品は前回『ヒカルの卵』を取り上げましたが、今回もこころ温まる素敵なお話です。
2022年7月12日現在、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
また、復活することもあるかもしれませんが、ご了承ください。
※2022年11月1日確認:こちらの作品は、現在「読み放題」の対象に復活したようです。
写真家志望の大学生・慎吾。卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。
プロの写真家を目指す「慎吾」は、卒業制作のために、彼女の「夏美」が運転するバイクでロケハンをしていました。
飛ばし屋の夏美は、つづらおりの山道を嬉々として疾走します。
途中トイレを借りるために立ち寄った山里の雑貨屋は、お婆さんと、初老のおじさんがひっそりと営んでいました。
二人は親子でお婆さんが80歳くらい、おじさんは60代で二人暮らしです。
おじさんはその風貌と人柄から、みんなに「地蔵さん」と呼ばれています。
お婆さんと地蔵さんにすっかり気に入られた慎吾と夏美は、夏の間、店の離れを借りて過ごすことになりました。
慎吾は、この山里の風景や人々を卒業制作として撮影することにしたのです。
山里で暮らす間、慎吾と夏美は、地蔵さんからいろいろな川遊びや、食材調達などを教えてもらいます。
そして、生きる上で大切なことも地蔵さんは教えてくれました。
「月が目の錯覚で大きく見えるってことを教えてくれたときにさ──」
「うん……」
「地蔵さん、すごくいいことを言ってくれたんだよ」
「え、地蔵さん、なんて?」
「人間ってのは、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こすんだって。だから、自分と他人をあまり比べない方がいいって」
夏美は前を向いたまま、静かに月を見詰めていた。
ぼくは勝手にしゃべり続けた。
「他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃうんだってさ。俺さ、それって、すごくわかる気がするんだよな」
そんな地蔵さんにも辛い過去の出来事がありました。
自分のことよりも、大切な人のためを考えて辛い選択をした地蔵さん。
「ありがとう」と言う言葉の温かさを再確認させてくれる物語です。
紹介では触れませんでしたが、「雲月さん」と言う仏師もとても魅力的な人物です。
雲月さんが師匠から授かった教え、
「神は細部に宿る。だからこそ、爪の先ほどの妥協もするな」
ぜひ一度手に取ってみてください。
『教室が、ひとりになるまで』朝倉秋成
次に紹介するのは、朝倉秋成さんの『教室が、ひとりになるまで』です。※2022年9月確認:こちらの作品は「読み放題」の対象から外れているようです。
※2022年11月1日確認:こちらの作品は、現在「読み放題」の対象に復活しているようです。
朝倉秋成さんといえば、2022年本屋大賞ノミネート作『六人の嘘つきな大学生』が記憶に新しいですね。
北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ショックから不登校の幼馴染みの自宅を訪れた垣内は、彼女から「三人とも自殺なんかじゃない。みんな殺された」と告げられ、真相究明に挑むが……。
Amazon紹介文より
私立北楓高校で、三人の生徒が相次いで自殺します。
三人とも、普段からクラスの中心にいるような「カースト」上位の生徒でした。
主人公の「垣内友弘」と同じマンションのクラスメイト「白瀬美月」は、連続自殺のショックから不登校になってしまいます。
垣内はクラス担任から、美月の様子を見てきて欲しいと依頼されました。
美月の家を訪れると、彼女は明らかに何かに怯えているようです。
訪問したのが垣内一人なのを確認して、やっとドアを開いた美月は不登校の理由を彼に話します。
「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」と。
三件の自殺については、警察の調査もあり、自殺で間違いないと判断されています。
二件の飛び降り自殺については、目撃証言もあり、
三件ともに遺書が見つかっています。
ただ、その遺書はなぜか三件とも同じ内容で、
「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」と記されていました。
客観的にみて、自殺以外に疑いようのない状況で、なぜ美月は「みんなあいつに殺された」と言うのでしょうか?
それは、美月の前に死神のコスチュームをした「女」が現れ、「私が、殺したの」と告げたからです。
そして死神が次に殺す候補者は、
「一人目の候補は、山霧こずえ。そして二人目の候補者はーあなた。白瀬美月」だと言うのです。
「死神」の正体は一体誰なのか、そして本当に自殺に見せかけて殺すことなど可能なのか?
そもそも「死神」は何が目的で、殺人を繰り返すのか?
その真相がわかった時、読者の私は「死神」の考えに共感してしまう自分に気付きました。
もちろん、だからと言って、殺人が正当化されるものではありません。
しかし、「死神」の考え方に共感してしまう私は、社会不適合者なのでしょうか?
みなさんは、どう感じるでしょう?
一度手に取ってみて欲しいと思います。
まとめ
2022年1月から毎月、Kindle Unlimited で私が読んだおすすめの本を5冊紹介してきました。
今月は、良い作品との出会いが多かったので、異例の6月分パート2として5冊を追加してみました。
『翼をください』は上下巻、『神様の定食屋』は1・2なので、実質7冊になりますが(笑)
いかがだったでしょうか?
「読み放題で読める作品なんていまいちでは?」と思っている方もあるかもしれませんが、
今回のラインナップを見ていただければ十分価値のある作品たちではありませんか?
今回の記事が何か少しでもあなたの参考になればうれしいです。
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