2022年夏、文庫各社の「夏フェア」比較

読書

いやー、梅雨明けしましたね。

「えっ、もう?」っていうくらい短い梅雨でした。

梅雨が明けた途端、連日の猛暑日。

早すぎる夏がやってきましたね。

そして、夏のお楽しみといえば・・・そう文庫各社の夏キャンペーンですね(笑)

新潮文庫の100冊(新潮社)」、「ナツイチ(集英社)」、「カドブン(角川)」の3企画が本屋さんのゴールデンスペースに出揃いました。

命の危険を感じる猛暑日は、涼しい場所でじっくり読書するのも良いと思いませんか?

各社の「夏フェア」を活用して、この夏読む本を見つけるのも、夏のお楽しみではないでしょうか!

ということで、今回は3社の企画内容を比較しながら、私なりの読書候補を検討していきたいと思います。

では、いってみましょう!!

文庫各社の夏フェア比較

2022年夏、文庫各社のフェアの企画内容を比べてみましょう。

文庫名フェアタイトル購入特典
新潮文庫新潮文庫の100冊キュンタステンドグラスしおり
集英社文庫ナツイチよまにゃブックバンド
角川文庫カドブン2022夏抽選で合計500名に豪華賞品プレゼント

各社の「フェアタイトル」と「購入特典」はこんな感じです。

この時期、本屋さんの店頭に行けば、このコーナーがまず目にとまると思います。

購入特典以外でも、各社それぞれ特徴のある打ち出し方をしているので、その辺りも踏まえてひとつずつ見ていきたいと思います。

新潮文庫の100冊 2022

まず、なんといっても長年の実績と貫禄で「新潮文庫の100冊」です。

私の学生時代にも夏といえば、「新潮文庫の100冊」でしたね。

夏中に100冊コンプリートできないか、なんて無謀な考えを持ったりしたものです。

新潮文庫のキャラクターは、小さな町の小さな本屋で店番をしている「キュンタ」という小さなロボットです。

新潮文庫の100冊はその中の作品を、以下のジャンルに分けています。

  • 恋する本
  • シビレル本
  • 考える本
  • ヤバイ本
  • 泣ける本

本屋店頭で無料配布されている冊子には、以上の5ジャンルに分けて100冊の紹介が掲載されています。

その各ジャンルの最初で、キュンタと「本屋に来たお客さんたち」との会話を通してジャンルの説明がされます。

そのお客さんたちが、キュンタに伝える言葉がとてもイカしているんです。

恋する本」の扉では、「クジャクさん」が来店します。

そして、その綺麗な羽に見惚れるキュンタに言います。

恋ってキレイゴトだけじゃないから みんな恋に 焦がれるのさ!


シビレル本」では、「ゴージャスなデンキウナギさん」が現れて、

「キュンタちゃん!イチバン刺激的な本はどれかしら?」とたずねます。

その理由は、

誰かをシビレさせるためには 自分がいつもシビレてなきゃ いけないのよ!


考える本」には、「メガネのライオンさん」がやってきて、

「百獣の王なんて言われるけどね。 チカラがあるだけじゃダメだと気づいたんだ」と言います。

「ダッタラ、王様ッテ?」と質問するキュンタに、ライオンさんは答えます。

みんなのこともひとりのことも 誰よりも考える人さ

ヤバイ本」のコーナには、
「1冊の本をきっかけにロックスターを目指すことにしたナマケモノさん」が登場します。

彼は言います。
「人生なんて 100歳になったって 100回失敗したって またスタートできるんだ」

それに、想像もできない未来のほうが 面白いと思わないかい?

ナマケモノさんもヤバイです(笑)

泣ける本」になると、本たちは夕日にオレンジ色に染められて、お店は閉店時間を迎えます。

本屋のおじいさんが外出先からお店に帰ってくると、キュンタが泣いています

そのわけをおじいさんが優しくたずねると、キュンタは言いました。

ミンナ、喜ンデクレタカラ・・・

おじいさんは、

そうかそうか。みんな旅に出られたんだね

こんな感じで各ジャンルに物語があります。

さすが「新潮文庫の100冊」ですね。

無料配布の冊子にも、本に対する愛が溢れていると思います。

加えて、今年の購入特典の「ステンドグラスしおり」は、フェア開始前から評判になっていました。

対象本を1冊購入すると1枚もらえる、本好きの皆さんの琴線に触れる特典だと思います。

そういう私も、4種類コンプリートしました。

そのために文庫を4冊購入しましたが、もともとどれも読みたいものなので、
この機会に購入できてむしろラッキーです!

上の画像が私が今回購入した本と、特典の「ステンドグラスしおり」です。

画像右下の黄色い冊子に、5つのジャンルにまつわるキュンタの店番のお話があります。

あなたも、「5つのジャンル」から、この夏読む本を探してみるのはいかがでしょう?

そして、この夏あなたも「旅に出て」みませんか?

ナツイチ 2022 (集英社文庫)

さて、続きまして集英社文庫の「ナツイチ」です。

こちらもキャッチコピーがイカしてますね!

夏の行き先は、本がきめる。

その言葉の意味は、こちらも本屋店頭で無料配布している冊子の表紙見開きに書かれていました。

本は、
見たこともない景色へ、
ちょっと不思議な世界へ、
まだ出会ったことのない感情へ、
きみをつれて行ってくれる。
さあ、よまにゃ。

「ナツイチ冊子」より

ナツイチの冊子では、まず冒頭で映像化作品をイチオシしています。

まずは、池井戸潤さんの「アキラとあきら」4ページにわたって紹介されています。

竹内涼真」さん「横浜流星」さんダブル主演で、8月26日(金)公開ということで気合が入っているみたいですね。

次に、9月16日全国公開される、島本理生さんの「よだかの片思い

WOWOWで連続ドラマ化される、青崎有吾さんの「早朝始発の殺風景

の3作品が冒頭の特集で紹介されています。

その後はこちらも4つのジャンル分けがされて、それぞれの本が紹介されます。

4つのジャンルは、

  • 心ふるえる本よまにゃ
  • ワクワクする本よまにゃ
  • ハラハラする本よまにゃ
  • じっくり浸る本よまにゃ

そして、集英社文庫のキャラクターの「よまにゃ」がそれぞれのジャンルの紹介をしてくれます。

心ふるえる本よまにゃ」では、

みんなは、涙もろい?
ぼくは本を読むと、
嬉しかったり悲しかったり、
ときどき気持ちを
抑えられなくなるんだ。
涙の跡がついてる本が、
いくつもあるんだよね。

よまにゃも泣ける本、読んでみたくなりませんか?

ワクワクする本よまにゃ」には、

この先どうなっちゃうんだろう。
一度気になりだすと、
ページをめくる手が止まらない。
気づくといつも、
アイスみたいに
時間が溶けてるんだよなあ。

時間が溶けるように夢中になれる本、読んでみたいですよね。

ハラハラする本よまにゃ」にも、

大変なことになりそうだ。
そう思っても、
怖いもの見たさで、
つい読んじゃう。
ときどき毛が逆立って
ちょっと困るけど、
やめられないんだよね。

怖いもの見たさって、ありますよね。

そして、「じっくり浸る本よまにゃ」では、

本はあたらしいことを
教えてくれるだけじゃない。
あたらしいモノの見方も
教えてくれるよ。
そういう本は、
時間をかけて読みたいなあ。

夏こそ、じっくり時間をかけて読んでみたいですね。

さらに、「ナツイチ」でお馴染みになった企画に、「よまにゃチャンネル」があります。

人気声優さんたちが、選んだ文庫を朗読する動画が見られるというサービスです。

小冊子にあるQRコードで「よまにゃチャンネル」にアクセスすると、物語の前半部分の朗読動画を見ることができます。

続きの後半は、その本を購入すると帯についているQRコードで聞くことができるという、声優ファン泣かせの企画です。

昨年は、女性の「竹達彩奈さん」も入っていたのですが、今年は男性のみ5名が選ばれたそうです。

選抜は、事前にTwitterで募集したリクエストで決まったとのことなので、女性声優ファンの組織票が弱かったのかな?

よまにゃチャンネル2022」の内容は以下の通りです。

作品名作者朗読声優名
『金の角もつ子どもたち』藤岡陽子内田雄馬
『東京藝大仏さま研究室』樹原アンミツ内田雄馬
『探し物屋まやま』木原音瀬江口拓也
『不審者』伊藤瞬岡本信彦
『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎岡本信彦
『白ゆき姫殺人事件』湊かなえ駒田航
『ソウルメイト』馳星周駒田航
『光媒の花』道尾秀介斉藤壮馬
よまにゃチャネル2022ラインナップ

上記のように、8作品の朗読を聞くことができます。

まずは、さわりだけでも聞いてみて、購入の参考にするのも良いかもしれませんね。

さて、「ナツイチ2022」の購入特典は、「よなにゃブックバンド」でしたね。

種類は4色!

こちらもコンプリートするために、4冊選んで購入しました。

それが、こちら↓

ナツイチ2022 購入本

こちらもまた、読むのが楽しみな作品ばかりです。

カドブン2022夏フェア(角川文庫)

さて、次に紹介するのは、角川文庫の「カドブン2022夏フェア」です。

こちらは、フェアの冊子の表紙からもわかるように、
新海誠」監督とのスペシャルコラボ企画になっています。

11月11日(金)全国ロードショーの新海誠監督の新作アニメ映画
すずめの戸締まり』が表紙に使われているのに加えて、

冊子冒頭から、8月発売予定の『すずめの戸締まり』試し読み8ページが掲載されています。

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、
「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。

(中略)

不思議な扉に導かれ、すずめの “戸締まりの旅” がはじまる。

カドブン冊子 『すずめの戸締まり』あらすじから引用

新海誠監督がみずから執筆した映画『すずめの戸締まり』の原作小説だそうです。

冒頭の8ページを読んだら、先が気になって仕方ないです。

まんまと、角川さんの思う壺です(笑)

角川文庫も他社と同様に、独自のジャンル分けがされています。

以下の5ジャンルです。

  • 青春いっぱい!
  • 心震える!
  • 名作
  • 手に汗にぎる!
  • 心をつかむロングセラー

そんな中から、今回私は「青春いっぱい!」に注目しました。

コーナーの扉を開くと「話題の新刊」として、

四畳半タイムマシーンブルース』が見開きで紹介されています。

これは、2022年9月劇場公開のアニメで、

森見登美彦さんの小説『四畳半神話体系』と舞台「サマータイムマシン・ブルース」とのコラボ作品だそうです。

(そのため作者の表記は、「森見登美彦 原案=上田誠 」となってます)

『四畳半神話大系』も2010年にアニメ映画化されているんですね。

そのアニメ2作で主人公の「私」役の声優さんである「浅沼晋太郎さん」の特別メッセージが寄せられていました。

文庫化おめでとうございます!
森見さんと上田さん。「タイムリープ」というSFを、
史上最もミニマムに描いたお二人のコラボなんで、
面白いに決まってます。
2022年は文庫とアニメで、どうか最高の夏を!

カドブン冊子 浅沼晋太郎さん特別メッセージより

ということで、「カドブン」にも参戦です。

書店店頭にて カドブン演出
カドブン2022夏 購入本

はい、これで「2022年夏ー文庫フェア」3社コンプリートです。

まとめ

いかがでしたか?

本好きの皆さんには、夏といえば文庫各社の「夏フェア」ですよね。

書店店頭で、この演出を見ると「あー今年も夏がやってきたなー」となんかウキウキしてしまいます。

そんな今年の文庫3社の企画内容を、あくまで個人的な視点で比較してみました。

今年の夏は、コロナも少し落ち着いて、旅に出る方もあるかと思います。

移動中のお供にも、涼しい部屋でまったりするにも、どの文庫をお迎えしようか悩んでいる時間もまた読書の楽しみですね。

私は、3社の企画で、新たに10冊の本をお迎えしました。(笑)

この夏はたっぷり楽しめそうです。

みなさんが、この夏素敵な作品に出会えますように!

以上、この記事が何かあなたの参考になれば、うれしいです。

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