「Kindle Unlimited 読み放題」で読める小説5選(2022年7月版)

読書

「Kindle Unlimited 読み放題」について

Amazonが提供している本の読み放題サブスク「Kindle Unlimited」はご存知でしょうか?

月々定額で、200万冊以上の対象本が読み放題になるサービスです。

ダウンロードして「ライブラリー」で保持しておける本は20冊までですが、

既読の本と入れ替えることで、新たな本をライブラリーに加えることができます。

気に入ってずっと残しておきたい場合は、Kindle本として購入しても紙の本より割安で購入できます。

ライブラリーに保存しておけば、いつでも、どこででも好きな時に読むことができますよね。

何十冊、場合によっては何百冊の本を持ち歩いているのと同じなのは魅力的ではありませんか?

※「Kindle Unlimited」の詳細はこちらをご覧ください。

初回30日間無料サービス」があるので、最初の30日間は何冊読んでも無料です。

お試ししてみて、「合わないな」と感じたら、無料期間中にやめることも簡単にできます。

ということで今回も、そんな「Kindle Unlimited」の読み放題で私が読んだ本を紹介します。

前回、(2022年6月版Part2)として紹介したのが下記の記事です。

今回は、(2022年7月版)として5作品を紹介したいと思います。

この記事はこんな方におすすめです。

  • Kindle Unlimited でどんな本が読めるのかを知りたい方
  • Kindle Unlimited を試してみようかと考えている方
  • 今まで読んだことのない作家さんの作品と、新たな出会いをしたい方
  • とにかくお得にたくさんの本を読みたい方


そんなあなたの、何か参考になればうれしいです。

それでは、「2022年7月版」の5冊を順に紹介します。

『密室殺人ゲーム 王手飛車取り』歌野晶午

今回1冊目に紹介するのは、

歌野晶午さんの『密室殺人ゲーム 王手飛車取り』です。

ミステリマニアの5人が、ネット上に集った推理ゲームコミュニティ。

彼らのゲームは、それぞれが実行した殺人について他のメンバーに推理させることです。

“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!?

Amazon紹介文より

※お詫び
2022年7月12日現在、確認したところ「密室殺人ゲーム」シリーズ3作品とも
「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまっていました。
紹介するタイミングが間に合わず申し訳ありません。

2022年11月1日確認:この3作品とも現在は読み放題の対象に復活しています。


物語の舞台は、ネットを介した「AVチャット」です。

コロナ禍のおかげ?ですっかり一般的になった、「Zoom」会議みたいな感じですね。

5人それぞれが、素顔を出さないための工夫をしています。

頭狂人」は、あの「ダース・ベイダー」のマスクをかぶっています。

aXe」は、ジェイソンのようなホッケーマスク。

伴道全教授」は、黄色いアフロの鬘を被り、レンズが渦を巻くようなおもちゃの眼鏡で変装しています。

その扮装は、超人探偵「ヴァン・ドゥーゼン」の風貌をデフォルメしたもののようです。

ザンギャ君」のウインドウは、カミツキガメの水槽が映し出されています。

044APD」のみが素顔での参加ですが、画像はすりガラスを通して見るように顔立ちは全くわからないようになっています。

そんな5人がAVチャットで集まって、それぞれ順に殺人推理ゲームの出題をしていくのです。

ただの推理ゲームと異なる点は一つ。

そのゲームの対象は、参加者自身が実際に実行した殺人でなければならないのです。

それぞれが、自身が考えたトリックを駆使して殺人を実行し、その謎を参加メンバーに推理させるというゲームなのです。

物語は、メンバーが次々に問題を出し合いながら進みますが、思いがけない偶然で何かが損なわれてしまいます。

そこからラストに向けての意表を突く展開!

最後に仕掛けられたトリックの結末は・・・。

なお、この作品は3連作になっていて、続く2冊も「Kindle Unlimited」で読むことが可能です。

本作に続く2作目が、『密室殺人ゲーム2.0』です。

第1作で、意外な結末を迎えた「殺人ゲーム」がまた始まっていました。

それは、一時期流行した「ファイル共有ソフト」により、流出した捜査情報に影響された模倣犯たちによるものでした。

あの殺人ゲームが帰ってきた。ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。第10回(2010年)本格ミステリ大賞受賞作、2010本格ミステリ★ベストテン第1位。

Amazon『殺人ゲーム2.0』の紹介文より


第1作のその後はどうなったのか・・・?

ゲームの性格上、出題者は、次はさらに他のメンバーの意表をつく内容にしてやろうと考えます。

そうなると当然、その内容は次第にエスカレートしていくことになります。

そして、この第2作目の結末も意表をつかれます。

その結末に関わるかもしれない、物語の最後に引用された論文の内容も非常に興味深い内容です。

さらに、3作目は、『密室殺人ゲーム・マニアックス』です。

「殺人謎解きゲーム」はまたも「模倣犯」という「後継者」に引き継がれていきます。

〈頭(とう)狂(きょう)人(じん)〉〈044APD〉〈aXe(アクス)〉〈ザンギャ君〉〈伴(ばん)道(どう)全(ぜん)教授〉。奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で仕掛ける推理バトル。出題者は実際に密室殺人を行い、トリックを解いてみろ、とチャットで挑発を繰り返す。謎解きゲームに勝つため、それだけのために人を殺す非情な連中の命運は、いつ尽きる!?

ただし、今回の「後継者」は、いわゆる模倣を超えていくことを目指します。

それが何を意味するのか?

そしてその試みは、成功したと言えるのか?

気になった方は、一度手にとってみてください。

あなたは、どう評価されるでしょうか?

『後宮の検屍女官』小野はるか

今回2冊目に紹介するのは、

小野はるかさんの『後宮の検屍女官』です。

帝の寵愛を望む女の園「後宮」を舞台に、不可解な謎に挑むミステリです。
※2022年9月5日確認:この作品は「読み放題」の対象から外れているようです。
※2022年11月1日確認:この作品は現在「読み放題」の対象に復活しています。

「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。

謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。

皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、

幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。

花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。

多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。

そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。

後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!

物語は、中華「大光帝国」の後宮を舞台に展開されます。

ある日、帝の寵愛を受け妊った妃嬪が不審な病死を遂げます。

謀殺を疑う父親が棺を開いて検屍を行おうとしたところ、なんと棺の中で死体が赤子を出産していたのです。

亡くなった妃嬪を謀殺した首謀者に復讐するため、「死王」が生まれたという噂が後宮内に広がりました。

夜な夜な後宮内を彷徨いながら、復讐相手を探しているというのです。

噂を恐れる女官達を鎮めるため、皇后は宦官の「延明」に謎解きと事態の収束を命じます。

この延明は冤罪の末、その罰として宦官にされた過去を持っています。

後に冤罪であったことが認められますが、罰によって一度損なわれた体は元には戻りません。

身分は戻されましたが、もう後宮の外では生きられないものと延明自身で決めていました。

皇后に仕えることで、生きていくことにしたのです。

そんな中、皇后の命により、後宮内の謎解き挑むことになったのです。

その手始めで行う事になった夜間見廻りの女官達の中に、全く物に動じない「桃花」を知りました。

桃花はいつも眠そうにしていて、見廻り中であっても隙あらば、半分居眠りしながら歩いているような侍女でした。

しかし、意外にも彼女は祖父の教えで「検屍術」を身につけていたのです。

桃花は師でもある祖父から「検屍術」とは冤罪を晴らすものだと教えられました。

「検屍術」を駆使して、

何故死ななければならなかったのか?

もしも、その死に関わる他者がいるのなら、誰が真犯人なのか?

という使者の最後の声を聞き取ることができるのです。

そのことが、冤罪をはらすことになるのだと。

その言葉はかつて冤罪で、宦官にされてしまった延明の心に触れる何かがありました。

そして、その桃花の「検屍術」の助けを得て、二人は後宮内の謎解きに挑むのです。

次第に桃花に惹かれていく延明。

その二人の一件噛み合わない会話のやりとりも微笑ましい作品です。

なお、この作品はシリーズ化されていて、現在3巻まで出版されています。

ただ、2巻と3巻は残念ながら今のところ、「Kindle Unlimited」の対象外のようです。

機会があれば続きも読んでみたいと思います。

『星降り山荘の殺人』倉地淳

次に紹介するのは、

倉地淳さんの『星降り山荘の殺人』です。

ミステリの舞台としては、お馴染みの「雪に閉ざされた山荘」で発生した殺人事件の謎を解く、「本格」ミステリ作品です。

雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。

Amazon紹介文より

※お詫び
2022年7月12日現在確認したところ、こちらの作品は「Unlimited 読み放題」の対象から外れてしまったようです。
紹介するタイミングが間に合わず申し訳ありませんでした。

※2022年11月1日確認:この作品は現在「読み放題」の対象復活しています。


やり手の社長が、買い取った山奥のコテージ村のプロモーション企画のために呼び寄せられた人たち。

そこは、電話どころか電気も通っておらず、自家発電のみが頼りです。

また、この物語の背景は、今のように誰もがスマートフォンを携帯している時代でもないのです。

参加者が集った初日の夜は、歓迎と懇親を兼ねてレストランのケータリングディナーが振る舞われました。

夕食後は、各自割り当てられたコテージに引き上げて次の朝を迎えます。

そして、次の朝、殺人事件の被害者の遺体が発見されました。

警察を呼ぶためには、車で街まで出なくてはなりません。

ところが、街までの唯一の山道は雪崩のために通行不能になっていることが判明します。

折りしも、この地区一帯を見舞った暴風雪のため、街の交通も麻痺状態に陥ります。

コテージ村の人たちと連絡不能であることを心配した関係者が、救助に向かうことすらできない状況です。

完全に外界から遮断されたコテージ村、その中の誰かが殺人者かもしれない極限の状況で人々はどうなるのか?

最後に待つ、意外な結末をあなたは予測できるでしょうか?

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

さて、次に紹介するのは、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』です。
※2022年9月5日確認:この作品は「読み放題」の対象から外れているようです。

独特の世界観と文体で、私はあっと言う間に物語の世界に引き込まれました。

今回紹介する中でも、一番のオススメ作品です。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

Amazon紹介文より


この物語は、大学のクラブの後輩「黒髪の乙女」に一目惚れした「先輩」の語りと、

その「黒髪の乙女」である「後輩」の語りが交互に、交錯しながら進んでいきます。

タイトルにもなっている「第一章 夜は短し歩けよ乙女」は、

そんな彼女が「初めて夜の木屋町から先斗町界隈を歩いた、一晩かぎりのお話」です。

「先輩」の言葉をかりるなら、

これは彼女が酒精に浸った夜の旅路を威風堂々と歩き抜いた記録であり、また、ついに主役の座を手にできずに路傍の石ころに甘んじた私の苦渋の記録でもある

ということです。

クラブのOBの結婚祝いの席で、皿の隅に転がっていた「蝸牛」の殻の渦巻きを見て、彼女はなぜか「お酒飲みたい」と熱烈に思いました。

その夜、私は単身で魅惑の大人世界へ乗り込んでみたいと思いました。ようするに、先輩方へ遠慮することなく無手勝流にお酒が飲みたかったのです。


こうして、彼女の長い夜が始まりました。

木屋町から先斗町、行く先々で巡り合う人々はどれも一癖ある人たちばかり。

現実と虚構の境界線が曖昧になるような、不思議な夜を体験するのです。

その頃先輩は、なんとか彼女に近づくきっかけを作ろうと「暗躍」しますが、

ことごとく裏目に出て、彼女とすれ違ってばかりいました。

そんな二人のすれ違いの舞台は、第二章では「下鴨神社の古本市」、第三章では、「学園祭」、そして最終章の第四章では、「流行り風邪が蔓延する京都」へと次々に展開していきます。

果たして、「先輩」の恋の行方は?

また、次々に登場する個性あふれる人々のその後は・・・?

全編を通して、楽しめるまさに「キュートでポップな恋愛ファンタジー」です。

私なりにこの作品を表現すると、

「稲垣足穂をPOPにしたような世界観。ダイ・ハードのエンタメ要素も併せ持つ、シン・純愛物語」

といった感じでしょうか?

なお、この作品はアニメ映画化されていますが、

同じく、森見登美彦さんの新作アニメ映画この秋に公開予定だそうです。

四畳半タイムマシンブルース』で、小説『四畳半神話大系』と舞台「サマータイムマシン・ブルース」の軌跡のコラボ作品だそうです。

こちらは「カドブン」の冊子で見て購入したので、この夏じっくり楽しみたいと思います。

『黄金仮面』 江戸川乱歩

さて、今回最後に紹介するのは、江戸川乱歩さんの『黄金仮面』です。

私が小学生の頃は、ポプラ社の『怪人二十面相』や『少年探偵団』、『妖怪博士』などを夢中になって読んだものです。

中学生頃からは文庫の傑作選で、その耽美的な世界に惹かれていました。

『芋虫』、『屋根裏の散歩者』、『人間椅子』、『鏡地獄』など不思議な魅力のある作品たち。

この『黄金仮面』も読んだことがあるような気もするのですが、記憶が曖昧です。

今回、「Kindle Unlimited」に「江戸川乱歩 名作ベストセレクション」が加わっていたので、

気持ちを新たに読んでみることにしました。

推理小説のパイオニア、江戸川乱歩の名作ベストセレクションがついにリリース!

第2弾は『黄金仮面』。

昭和初期の上野。白昼堂々、時価4億円の大真珠を盗み出す賊が出現。黄金のマスクを被った賊は、その後も盗みを重ね、日本中を恐怖の渦におとしいれる。犯行現場に残された謎のイニシャル「A.L」の意味とは!? この世紀の大泥棒を捕えようと、明智小五郎が登場。名探偵をも驚愕させた黄金仮面の正体はな、な、なんと….!?

乱歩が敬愛するマルセル・シュオップの小説『黄金仮面の王』へのオマージュ的作品。

Amazon紹介文より

ちなみに第1弾は『怪人二十面相』です。

世界的に評価される美術品や、この世に二つとない宝石など、黄金仮面のターゲットはいずれも貴重な価値あるものばかりです。

そしてその盗みの手口は大胆不敵!

白昼堂々、衆人環視の中でも狙った獲物は逃しません。

名探偵「明智小五郎」の推理によって、逮捕寸前まで追い詰められますが、全く動じずに意表をつく手段で逃げ遂せてしまいます。

さらに、黄金仮面は女性の心も「盗んで」しまう不思議な魅力も併せ持っているようなのです。

果たして、黄金仮面の正体とは?

ちなみに物語の後半で、黄金仮面に心奪われる女性の名前は「不二子」と言います。

これって、あの「不二子」と何か関係あるのかな?と私は思ってしまいました。

なお、昔の作品なので、ちょくちょく難読漢字が出てきてつっかえるところもあるかもしれませんが、Kindle端末だと辞書機能があって便利です。

いずれにしても、日本のミステリの歴史を作った古典的名作なので、一度は読んでみることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?

2022年1月から毎月、Kindle Unlimited で私が読んだおすすめの本を5冊ずつ紹介しています。

今回は、7月に読んだ5冊を紹介しました。

「殺人ゲーム」シリーズは3冊なので、実質は7冊ですが(笑)

今回も、どれも読み応えのある作品たちでした。

Kindle Unlimited を利用し始めてから、今まで読んだことのなかった作者さんの本にも挑戦できて、読書の幅が広がったように思います。

そして、こうして読書記録のようにブログ記事を続けられているのも、私にとって大きな収穫です。

7月は、文庫各社の「夏フェアー」が始まって、そちらで10冊ほど文庫を購入しました。

そのため、Kindle本の読書ペースは落ちると思いますが、Unlimitedの紹介は続けていきますので、引き続きよろしくお願いします。

なお、「文庫各社の夏フェアー」の比較と、私の購入本の記事もアップしています。

よかったら覗いてやってください。


以上、この記事が何かあなたの参考になればうれしいです。

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